152. 世界に70億もの人間が存在する理由

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社会医療人の星

現生人類、ホモ・サピエンスは

この地球上に繁栄し続けています。

1802年に10億人、1927年に20億人、

1961年に30億人、1974年に40億人、

1987年に50億人、1998年に60億人、

2011年に70億人、今は76億人を超えています。

世界の人口を国連データなどからリアルタイムで推定表示しているサイトがありました。

1分に137人増加しているそうですが、リアルに感じることが出来ます。

さらに2050年には約96億人、2100年には約109億人に達するとの予測がされていますが、

一方で、世界人口は80億人で頭打ちになるという予測も存在しています。

世界人口予測

世界人口予測

145話の『ファクトフルネス』で触れましたが、

世界の貧困問題は徐々にではありますが

解決に向かっています。

実際に、1800年にはレベル1の極度の貧困率が85%であったのに対し、

1966年には50%、2017年には9%にまで下がっています。

145.『ファクトフルネス』書評
ファクトフルネスとは、「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」です。 逆に、何と多くの人が(もちろん、私も)、 データや事...

貧困問題の解決の兆しは、

人口爆発問題にも少なからず好影響をもたらし出しています。

女子教育の充実も、

アフリカをはじめとする高出生率国のそれを低下させると考えられています。

高度教育は当然、長い学生生活が必要で早い結婚は回避されます。

晩婚化が進み生殖可能期間が短縮され、出生率が低下するのです。

都市化による刺激に満ちた生活も晩婚化を促すような気がします。

今、米国ではカナダ人ジャーナリストのジョン・イビットソンと政治学者ダレル・ブリッカーによる新刊『Empty Planet』が話題だそうです(2019年2月5日発売)。

およそ30年で世界人口は減り始め、

いったん減少が始まれば二度と増加に転じることはないと主張しています。

Empty Planet

私も、そう思います。

日本では少子高齢化と人口減少が問題で

出生率を如何に上げるかが議論になっていますが、

日本こそ、実はいち早く世界の潮流を実践しているのかもしれません。

さて、本日のタイトルは、「世界に70億もの人間が存在する理由」でした。

兎角、マイナスイメージで捉えられている人口問題を

違った視点で考えてみたいと思います。

宇宙は137億年の歳月を経て、

46億年前に地球を誕生させました。

その物質世界には厳密な自然法則があり、

それに則って進化を遂げていかなければなりませんでした。

自然法則からの逸脱は許されておらず、

そのため多大な時間を要しました。

その厳密な物質世界の自然法則から

地球という奇跡の惑星で生命が誕生しました。

生命はやがて人類に進化していきました。

その人類、特にホモ・サピエンスは、心というものを獲得しました。

この心という存在は貴重なもので、

自己犠牲を厭わず、利他の行動を行ったりするのです。

心は、ある意味、厳密な自然法則を超えてしまいます。

私は、人間は高貴なる精神を持ち、時に多大な自己犠牲を払ってでも

社会のために尽力してしまう存在なのだと信じています。

これこそ、ホモ・サピエンスが他種と大きく隔たる

最大の特徴なのでしょう。

宇宙は137億年の歳月をかけて、心を持つ存在を創造したのではないでしょうか?

心は、自然法則を凌駕して、全体のために生きることを促します。

人類の誕生とその精神の覚醒を以て、

初めてこの世界は持続可能性を獲得しようとしているのではないかと思います。

そんな視点に立つと

その貴重な心を持つ人類は最大の資源のように思えてくるのです。

今日、70億以上の人間が存在するためには、

地球は多大な犠牲を強いられていることは確かです。

地球温暖化をはじめとする環境問題は、

地球そのものにも大きなダメージを与えています。

そんな犠牲を払いながら、人類がここまで増えていることには

やはり意味があるのではないかと思うのです。

これからの人類の未来に

私は大いなる希望を見出しています。

2019年4月17日