153. 書評『能力を磨く』

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社会医療人の星

少し前になりますが、

MED Japan 2018にて特別講演をいただいた

田坂広志氏の講演動画をアップしました。

生命論パラダイムの時代

− 21世紀、人類の文明は、どこに向かうか −

「いのちというものが、いのちとして扱われていない」という

現代社会の有り様を鋭く指摘されました。

複雑系の知見による生命論パラダイムの時代の解釈と

これからの日本の使命が語られました。

(有志により完全テキスト化がなされています。感謝!)

さらに今回、田坂氏の新刊『能力を磨く』が出版されました。

早速、先週末に精読しました。

知的労働の現場で求められる能力の5つが掲げられています。

この5つの能力と計10種類の力は、相当に考え抜かれたものだと思います。

  1. 基礎的能力(知的集中力と知的持続力)
  2. 学歴的能力(論理的思考力と知識の修得力)
  3. 職業的能力(直観的判断力と智恵の体得力)
  4. 対人的能力(コミュニケーション力とホスピタリティ力)
  5. 組織的能力(マネジメント力とリーダーシップ力)

この概念化の御蔭で、今のプロフェッショナルに求められる能力が

スッキリと理解できました。

これからの方向性が曇りなく見えるようになりました。

これだけでも書籍代の元は取れた感じがします(笑)。

さらに、1,2の能力がAIに取って代わられてしまうことも納得できました。

となれば、私たちが注力すべきは、3,4,5の能力開発となります。

一つの能力に対して2つの力が具体的に提示され、

計6つの力に分かりやすく表現されているので

肌感覚で理解できました。

この私の説明だけでは、本質が伝わらないかもしれませんが、

ご安心ください。

本書を読めば、文字通りスッキリと理解できるようになります(ホントです)。

巷にはAI時代の到来に対し

AI失業といった恐怖心を煽る書籍やコメントが多い中で、

本書はその対処法を具体的に掲げています。

読者が腰を据えて考えれば、

それぞれの分野でどう処すべきかが明確になるでしょう。必ず。

そんな6つの力を導き出せる著者の洞察力には、敬服するばかりです。

(冷静に考えると、恐ろしいほどの能力だと思います。)

AI時代に求められる能力は

AIに出来ない、あるいはAIが不得手とする能力です。

その3つの能力、6つの力を磨いていくことが大切になります。

それらが最も鍛えられる分野、領域はどこかと私なりに考えてみました。

そして、はたと気づきました。

それは、起業ではないかと思うのです。

起業のアイデアをビジネスモデルにまで昇華させ、

共に働く仲間を募り、

さらに出資者をも募り、納得していただかなければなりません。

先の6つの力をフル稼働させなければならないでしょう。

相当な総合力が必要ですから、

当面、AIに出来るとは思えません。

その上で、さらに最良の修練の場があると気づきました。

社会問題の解決を図るべく起業する、

社会起業家の道です。

AIは私たちの仕事を奪うのではないと思います。

むしろ、肩代わりしてくれるのではないでしょうか?

その御蔭で、たくさんの有意な人材が

社会起業家を目指すようになるのではないかと思うのです。

AI時代は、社会起業家が跋扈する社会を導くような気がします。

社会起業家たちが活躍する社会、

考えてみただけでもワクワクします。

それは、本当に素晴らしい社会といえるでしょう。

田坂氏がこれまで社会起業家的生き方を提唱して来られたことは

偶然ではないはずです。

その思想の一貫性を感じずにはいられません。

152話で70億の人間は地球の財産である旨を書きました。

152. 世界に70億もの人間が存在する理由
現生人類、ホモ・サピエンスは この地球上に繁栄し続けています。 1802年に10億人、1927年に20億人、 1961年に...

一大変革の時代が、すぐそこまで来ていることを感じます。

AI時代は、私にとって希望に満ちた時代になりそうです。

P.S. 田坂氏の新著をテーマにしたテレビ出演情報をキャッチしました。

4月25日(木)NHK クローズアップ現代+(22:00~22:30)
お見逃しなく!!