コロナ禍により社会活動の様々な分野でデジタル化が急速に進んでいます。
先日電車内でこんな広告を見つけました。
「ここまで来たか」という感じですね。
写真の女性以上に私の方が驚いてしまいました(笑)。
例に漏れず、我がチーム医療フォーラムもデジタル化は必須であると覚悟を決め、
目下、すべての活動をゼロベースで再考し、再編集中です。
というより、全く新しい発想で創設しなければならないと意気込んでいます。
さて、オンラインサロン(コミュニティ)の主催側の準備は整いつつあるのですが、
一方、参加の主役である市民の方の準備はいかがでしょう?
「みんなが みんなで 健康になる」研究所の主たる参加者はシニアを想定しています。
もちろん、全世代の方々に訪れて欲しいのですが、
あらゆるオンラインサロンで参加の障害があるのが70歳以上のシニアだと思います。
今週の表題に掲げたICTリテラシーにおける壁があるからです。
私は三つの壁があると分析しています。
第1の壁は、ICT機材の導入の壁です。
私は最近、患者さんにICTへの意識をヒアリングしています。
スマートファンにしても、ダブレット端末にしても、
あるいはAlexaのような音声認識デバイス、
さらにパソコンに至っては、触れたことのないシニアにとっては
どこからどう始めたら良いかが分からないと言います。
この「導入の壁」が最初の障害なのです。
上手くICT機材が導入されたとしても、
次に第2の壁が立ちはだかります。
それは、必ず予期せぬ時に予期せぬ形で起こるトラブルです。
些細なトラブルであっても、
即座に相談出来たり、駆けつけて直してもらえたりしないと、
そこで落ちてしまいます。
トラブルシューティングの対応が出来ないと簡単に諦められてしまうでしょう。
よく自治体がスポンサーとなって、音頭取りをして
シニアのICT機材の導入を支援したりします。
機材導入(購入)金額は価格が見えやすく、予算、報告も明確にできます。
それ故に多くの自治体や団体が始めるのですが、
その後のトラブルシューティングへの対策が無いために
頓挫してしまうことが多いようです。
機材導入費用よりも、実はこちらの予算のほうが重要です。
私はこれを「維持の壁」と呼んでいます。
第1の壁、第2の壁が無事クリアできて、
機材を日常生活で使いこなせる状態になっていたとしても
もう一つの大きな壁があることを知らなければなりません。
「コンテンツの壁」です。
シニアがインターネットに繋がって使えるようになっていたとしても
そこにシニアが興味を持って楽しめるコンテンツが無ければ、
いずれ利用されることのない無用の長物になってしまうでしょう。
この第3の壁が意外に大きく高い壁であると私は考えています(第1の壁<第2の壁<第3の壁)。
現状のネット上のあらゆるコンテンツは
主たる利用者である若者や中年層以下を対象にしたものが殆どです。
需要と供給のバランスから考えれば仕方のないことです。
しかし、これからシニアの方々をネットの世界に積極的に招き入れるには
シニアにとって魅力的なコンテンツが必要です。
とはいえ、ありがちな老人向けのものは見向きもされないでしょう。
今までにない新しいテイストが求められるのです。
シニアの皆さんが楽しんで参加していて、気が付いたら健康になってしまう、
そんな社会装置としてのオンラインコミュニティを構築したいと思っています。
「高齢者の社会参加が健康度を高める」ことが分かっています。
それは同時に、社会参加が出来なくなれば、
特に高齢者の健康度が低下してしまうことを意味しています。
コロナ禍は、その肝心の社会参加の機会をシニアから奪いました。
当面はこの状況は変わらないでしょう。
となれば、オンライン上で実現させるしかありません。
第1、第2の壁は自治体や他の団体の使命だと思っています。
チーム医療フォーラムが注力すべきが第3の壁対策です。
方向性ははっきりしました。
後は突き進むだけです。
是非、今後の私たちの活動にご注目ください。
そして、協力者になってください。
どうぞ宜しくお願いします。
2020年9月9日