03.「パラレル・キャリア」のすすめ

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社会医療人の星

パラレル・キャリア(parallel career)とは、

一つの組織に属して同じ仕事を続けるだけでなく、

社会的活動を積極的に行い、「別の世界」を手に入れるという新しい生き方です。

ピーター・ドラッカーが提唱したことで知られていますが、

非営利組織を運営したりボランティアをしたりという本業以外の顔を持つだけでなく、

大学院などで他分野に挑戦する学生という立場も含まれると私は拡大解釈しています。

仕事にはライフワークとライスワークがあるといいます。

前者は生きがいに直結する仕事で、

今の自分の仕事をそう言い切れる人はとても幸せだと思います。

実のところ多くの人が

今の仕事がライスワークになっているのではないでしょうか。

文字通り、食い扶持を稼ぐための仕事でしかないということです。

パラレル・キャリアとは、ライフワークとライスワークを両立させることです。

さて、社会の理想を求め、その変革に身を乗り出した人にとって、

ドラッカーのいうパラレル・キャリアは、必須のスタイルなのだと思います。

私が臨床医であると同時に、

社会起業家としてこの一般社団法人を設立、運営しているのも、そのためです。

パラレル・キャリア

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命1999/3
P.F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)

2008年9月15日のリーマン・ショックは資本主義社会の大きな節目となりました。

それ以後の社会は、経済中心とは違った価値観で動き始めたのだと思います。

余談になりますが、

私の周りにいる社会起業家たちの多くが、その直後に起業しています。

そして、起業するには極めて不利な状況下にありながら、

不屈の闘志で活動を継続しています(もちろん私もその一人です)。

これからの時代は、パラレル・キャリアを実践する人が徐々に増えることでしょう。

ライスワークだけの生活に疑問を持った人たちが、

ライフワークを求めて走り出すのです。

いま私は、社会医療人の提唱者として

多くの医療人にパラレル・キャリアに挑戦してもらいたいと考えています。

そのような勇気ある方々をチーム医療フォーラムは必死に応援します。

しかし、社会医療人の考え方には賛同するけれど、

パラレル・キャリアの実践には踏み出せないという方には、

ぜひチーム医療フォーラムのサポーターとなって、

間接的なパラレル・キャリアを目指していただきたいと思っています(笑)。