本書は著者がリクルート時代、
社内の「メディアの学校」で連続講義していた
『数字の読み方・考え方』講座がベースになっています。
受講者の満足度によって淘汰されていく講座群において
11年間も人気講座であり続けたそうです。
あのリクルートの猛者たちが
こぞって受講したという事実だけでも興味津々です。
率直な感想としては、「とにかく分かりやすい!」の一言です。
11年間のインタラクティブな講義はさすがで、
相当に内容が練り込まれているらしく、
スイスイと頭に入ってきます。
読んでいるうちに、加速してくる感覚を久しぶりに覚えました。
それくらい、引き込まれてしまいます。
読者はあっという間に読了し、知恵満載の御馳走に満足することでしょう。
「Speed is Power」
本書で最も感動した言葉です。
平たく表現すると、
「スピードを上げると、『あなたの仕事の力』になる」ということなのです。
「仕事が速い」ことは人を感動させると著者は言います。
「仕事が早い」ことも同様だと思います。
では、それを体現するにはどうしたら良いのでしょう?
ネタバレにならない範囲で列記してみます。
- 「因数分解」:「納期+工数」
- 「ROI思考」:ROIによる優先順位、フェルミ推定
- 「仮説思考」:良いシナリオ➡分かりやすい説明(比較)➡態度変容
- 数字の読み方に関しては、「平均的な人」なんて存在しないという指摘に激しく同意!!
- 平均と分散:両者を念頭にデータを見ることが大切
- 数字で考える➡四則演算で良い(充分!)
- 固定費と変動費:経営者の視点=固定費を下げる、変動費を好む
- その費用は投資か、コストか?
- 「2軸思考」:応用範囲が広く、今後、様々に使えそう
- ピケティ r>g (r:資本収益率 g:経済成長率)
- タイムマネジメント Day 0, Day 1, Day 30, Day 100
- 自己紹介に数字を入れること
- アウフヘーベン
- 「3つあります」の原則
- 6Σ:100万個に2、3個のミス
- ミスをゼロにするのには多大な努力とコストが必要になる
そんなことは考えなくてよい(顧客も望んでいない)
最後半に差し掛かったところで
いきなり、私の名前が飛び込んできました。
「人生ラスト10年問題」「ラスト10年の3つの節目」「筋肉の大切さ」「歩くことの重要性(医歩)」など
全く予想していなかったので、本当に驚きました。
不意に世に認められ表彰されたような感じで、とても気持ちが昂りました。
有り難いことです。中尾さん、有り難うございます。
ついでに申し上げると、
同じ著者による『KPIマネジメント』もお薦めです。
KPIとは、Key Performance Indicator の略で
マネジャーなら誰でも知っているキーワードですが、
表面的に知っているだけで、実ビジネスには活かしきれていないことが多いと思います。
読後は、それをきっと思い知ることでしょう。
しかも、こちらも非常に分かりやすく、すんなりと頭に入ってきます。
挿絵が非常に工夫されており、伝えるための知恵満載といった感じです。
- KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値
- CSF(Critical Success Factor)=最重要プロセス
- KPI(Key Performance Indicator)=最重要プロセスの目標値
この3者の違いと関係性を押さえながら読み進めると良いでしょう。
最後に、謎の勉強会:TTP(徹底的にパクる)勉強会での秘蔵写真でーす。
2019年3月6日