01.「小賢は山陰に遁し、大賢は市井に遁す」

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社会医療人の星
小賢は山陰に遁し、大賢は市井に遁す

これは、チーム医療フォーラム季刊誌「ツ・ナ・ガ・ル」22号の
巻頭言に取り上げた格言です。

社会医療人を語るとき、この格言がその本質を言い表せると思っています。

多くの医療者は患者に最高の医療を提供しようと考えています。
最高の医療を提供しているという自負があるからこそ、
多くの自己犠牲を払って、素晴らしい医療者を演じられるという面もあるのでしょう。

しかし、私たちの医療は本当に人々を幸せにしているのでしょうか?

チーム医療が多職種連携、協働のスタイルを定着させつつあるのは事実ですが、
それは医療提供者だけの価値観で組み立てられているだけのような気がします。

医療においては供給者と需給者との間に情報格差が大きいといわれます。
確かに格差はあるでしょう。
しかし、それは医療に限ったことではありません。
今日、あらゆる分野で情報格差が生まれています。

いまどき、医療は聖域などと考えているのは、医療者だけなのでしょう。

格言に戻りましょう。

修行者の世界では、世俗を離れ、
人里離れた静かな山陰に籠ることで
素晴らしい行者になれると思われがちです。

しかし、それは小賢の道に過ぎないというのです。

私には、この小賢の姿が自分を含めた
医療者に重なって思えて仕方がありません。

修羅の巷で悪戦苦闘しながら、
人々を真に幸せにできる医療を求めるべきだと思います。

守られた医療者だけの聖域、山陰に留まるべきではありません。

広く社会に自らの医療を問うべきでしょう。

市井に飛び出して行くべきでしょう。

そんな志をもつ医療人を私は社会医療人と呼んで、
自らそうありたいと願っています。

本日、『週刊 社会医療人 なるべく』というメルマガを発刊しますが、
社会医療人が目指す星でありたいと願っています。

さらに願わくは、地図がある世界でありながら道に迷う人々に不動の方向性を示す
北極星でありたいと考えています。

そのような固い決意と深い祈りを胸にこの連載を続けていこうと思います。

皆様、どうぞ宜しくお願い致します。