218. Eテレ「ズームバック×オチアイ」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
SNSフォローボタン

フォローする

社会医療人の星

ユニークなテレビ番組を発見しました。

Eテレの「ズームバック×オチアイ」です。

ホームページの番組案内にはこんな紹介文が書かれていました。

生活が一変したコロナ禍の混迷。未来が見えない今、過去の考察を手がかりに、混迷の先の「半歩先の未来」を提示する。

番組の顔は、教育者や研究者など様々な顔を持つ、落合陽一。

過去をヒントに見えてくる未来とは?

既に2回が放映済みで、

第1回、第2回放送は木曜で20分だったようです。

第1回のテーマは“半歩先のニューエコロジー”

Eテレ「ズームバック×オチアイ」

CO2排出量が減少するなど環境に好影響ももたらしている中で、コロナ禍によって私たちの暮らしはどう変わっていくのか?14世紀のペスト大流行を再検証するなかで見えてきた、意外なヒントとは?

第2回のテーマは“半歩先のニューエコノミー”

Eテレ「ズームバック×オチアイ」

世界中の経済が停滞し、未曾有のGDPの下落が予想される今、私たちの経済は一体どうなるのか?20世紀初頭の世界恐慌、そしてリーマンショックを検証。世界経済を好転させうる、起死回生の新たな経済システムとは?

私は7/12(日)午後11:00-11:30 放送の第3回を初めて見ました。

第3回のテーマは“自粛”の半歩先

各国が強制ロックダウンする中、さまざまな“自粛”で対策を続ける日本。誰に強制されるわけでもなく、一斉にマスクをつけるメンタリティーは世界からの称賛を受ける。日本人特有のメンタリティーが切り拓く未来とは。

寝ぼけ眼で見ていたせいもありますが、

系統だった知識が得られたという感じはしませんでした。

予定調和の結論に導く番組編集ではなく、

落合陽一さんがやり手の編集長となり、

瞬間的なアイデアでパッパッと番組を進行させていく感じです。

リズム感が絶妙です。

(第1回、第2回のサムネイルからも伝わってきますね。)

そんなスタイルがとても気に入りました。

私たちは、オピニオンリーダーたちの意見を丸飲みしたがる傾向がありますが、

多様性の時代にあって、それは有効な戦術ではありません。

一人の人間が正確な未来を予測することなど出来るはずがありません。

一つの正解など無いという、多様性の時代がとうの昔に到来しているのです。

落合さんのような発想力豊かな人の意見や事例を聞いて

それを自分がどう感じ、どう解釈し、どう行動したいかを

正直に自らに問うべきなのだと思います。

この番組は、押しつけがましい結論を提示してはいません。

視聴者に考えさせようとする製作者の意図を強く感じます。

通底する「半歩先の未来」というテーマからもそう思います。

第3回の放送では、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』が紹介され、

日本人の空気を読む力、同調圧力などが取り上げられました。

自粛を許容できる日本人のメンタリティーは、コロナ禍では

ある意味、有効性を発揮できたのかもしれません。

SNSによって、多くの人が自粛生活の寂しさを紛らわせたようです。

あらゆる分野でオンライン化も加速していくのでしょう。

私がこの番組を通して思ったのは、

近い将来、SNSやオンライン化の先に、

私たちは「大いなる虚無」と対峙しなければならなくなるだろうということです。

虚無の超克のためにも、自分の頭で考えることを

地道に始めなければならないと感じました。

第4回は7/19 23:00-23:30の放映予定ですが、

第3回の再放送もほぼその前日の7/19 AM 1:30-2:00 のようです。

いろんな発想が貴方の中に生まれるはずです。

是非、お試しあれ!

(2020年7月15日)