2018年9月1日~9月4日 スペイン・マドリードにて
第40 回欧州臨床栄養・代謝学会
(European Society for Clinical Nutrition and Metabolism、以下ESPEN)
が開催されました。
ESPENの概略についてはこちらをどうぞ。
栄えあるSir David Cuthbertson 記念講演には、
Protein For Functional Recovery in Older Adults: rom Bench to The Bedside
E. Volpi博士
Arvid Wretlind 記念講演には
Nutrition At The Crossroads
T. Cederholm博士が選出されました。
どちらの博士の講演も
高齢者の低栄養、サルコペニア(筋肉減少)の話が中心でした。
特にT. Cederholm博士は、日本静脈経腸栄養学会理事長の東口高志教授の盟友です。
その東口先生による「栄養を幸せのちからに」を実践する団体:
WAVESの必要性を説明するための代表的な論文の執筆者でもあります。
表彰にはArvid Wretlindのお孫さんが登壇され、非常に華やかになりました。
(ポスターにWretlind博士と写っている少女がその方です。)
今回の学会でも、高齢者の低栄養問題、サルコペニア対策の話題が多かったです。
GLIM(グリム)という低栄養の診断基準を作成するチームが編成されましたが、
そのメンバーとして東口教授も参画されています(ヨーロッパの学会でも大活躍です)。
私もポスター発表ながらWAVESのデータを発表してきました。
試験も受けてきました。
日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)の指導医になるには、
LLL (Life Long Learning) live course受講証4講座以上、内、合格証書2講座以上
が必要ですが、今回で無事 資格基準取得となりました(安堵)。
今回の学会では、高齢者の低栄養問題の他に、
集中治療室(ICU)領域の栄養療法の話題も多く見聞しました。
栄養療法の真髄を発揮できるのは重症患者の危機的状況にあるのかもしれません。
「栄養は、手術や薬物治療と同様、明らかに治療の手段である」と強調していた
ICU管理の外科医のメッセージが印象に残りました。
「栄養を幸せのちからに」
このWAVESの使命を実践するには、
栄養療法の科学的知見(エビデンス)が下支えになっていることを実感しました。
2018年9月5日