NHK金曜夜のドラマ10がいいです。
『ツバキ文具店』~鎌倉代書屋物語~ です。
タイトルからして、既に良さげな雰囲気が醸し出されています。
普段、私は大河ドラマ以外のドラマを観ることはありませんが、
「鎌倉」「代書屋」というキーワードに魅せられ
直感的に観ることに決めました。
大正解でした。
場違いな気がしながらも、こうして皆様に紹介したいと思ったのは、
今週が最終回(全8話)だからです。
まずは、こちらを読んで概要を押さえてください。
「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」とは
2017年4月のドラマ10は、古都鎌倉が舞台。
手紙を書くことを生業(なりわい)とする、若い女性のみずみずしい成長の物語をお届けします。
8年ぶりにふるさと鎌倉に戻った鳩子。亡き祖母から「ツバキ文具店」を受け継ぐはめに。
実は、文具店とは名ばかりで、本業は美しい文字を代筆する「代書屋」だったのです。しかも「ツバキ文具店」は、手紙を一から考えて書いてくれる、一風変わった代書屋でした。
新米の代書屋となった鳩子は、次第に才能を発揮。さまざまな手紙の依頼に応えていきます。
どうしても言葉に表せない、心の奥底の思いを、最高の形で伝えるのが、鳩子の新たな仕事です。
そしてツバキ文具店に集まる、ちょっと風変わりな人々とのふれあい。小さな幸せのピースが、鳩子の心を満たし、それは新しい一歩へとつながっていきます。
原作の小川糸さん著「ツバキ文具店」は、2017年本屋大賞ノミネートのベストセラー。
主人公の鳩子を演じるのは、NHKの連続ドラマは、連続テレビ小説「つばさ」以来となる多部未華子さん。主題歌「コトノハ」は、実力派シンガー・絢香さんによる書き下ろしです。
時間も空間も越えて紡がれる、愛に満ちた言葉の数々。大切な人に手紙を書きたくなるドラマです!
この舞台設定だけでもワクワクしますね。
更に知りたい方は、各回のあらすじもどうぞ。
さらに役者陣が、イイ味を出しています。
こういうドラマでの子役の役割は極めて大きいのですが、
その任を「はーたん」は見事に果たしています。
それ以上に存在感を放つのが、奥田瑛二演じる“男爵”と江波杏子演じる“バーバラ婦人”です。
こんな「いい大人たち」がいたら、本当に楽しいでしょうね。
さて、私がこのドラマに感動しているのは、
人々の丁寧な生き方にあります。
鎌倉という地で、昔ながらの文房具店で
(本当に存在するのか分からない)代筆屋という仕事に目覚めていく若き主人公、
そして、取り巻く愉快な人々、
彼ら、彼女らは皆、人生に対して丁寧な生き方をしているように思えてなりませんでした。
各回の手紙を書く際の道具や紙類へのこだわりも丁寧そのものです。
それが、このドラマの基調となって
観る者に深くて静かな感動を与えるのでしょう。
穏やかな気持にさせてくれるのです。
私たちは、もっぱらメールで目的を果たしてしまいます。
しかし、手紙は私たちに
人生における丁寧さを教えてくれているような気がします。