179. 台風19号襲来に思う

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社会医療人の星

2019年10月12日、日本列島に上陸した台風19号は、

激しい暴風雨によって東日本の各地で大きな被害を出しました。

別名ハギビス(Hagibis)と命名され、

その規模の大きさから事前に世界中から注目されていたようです。

事前のニュース報道で「経験したことのない」「最大級の」といった表現がなされましたが、

「経験したことのない」ものはリアルに想像することも出来ない訳で、

私も9月9日に関東に上陸した台風15号ぐらいの程度にしか予想していませんでした。

蓋を開けてみると、

台風19号による死者は、14日夕の時点で50名を超え、

さらに増え続けていくようです。

それもそのはず、河川の氾濫による被害が甚大で

【決壊】21河川24か所【越水】のべ142河川に及んでいます。

この河川の氾濫が死者数を増加させている主因のようです。

河川の決壊がこんなにも突然やってきて、

あっという間の水位の上昇と共に人々を呑み込んでいくとは想像していませんでした。

恐ろしいとしか言いようがありません。

私たちは、この目を背けたくなるような光景を

しっかりと目に焼き付けておかなければならないと思います。

何故なら、このような過去最大級の台風が毎年のように発生すると予想されるからです。

地球の温暖化は確実に進行しています。

以前、アル・ゴアの映画『不都合な真実2』を紹介しました。

79. 映画『不都合な真実2』論考
先週金曜の11/17に、映画『不都合な真実2』が公開されました。 2007年アカデミー賞(長編ドキュメンタリー賞)受賞の『不都合な真実...

その時、地球温暖化の問題は『7つの習慣』の第Ⅱ領域(緊急ではない重要問題)であると説明しましたが、

今や第Ⅰ領域(緊急を要する重要問題)に移行したと言えるでしょう。

私自身、これまで地球温暖化を漠然としてしか感じていませんでしたが、

今回の台風体験から肌感覚で理解できたように思います。

これから毎年のように

前年の規模を更新する台風が発生し続けると予想します。

ご存知のように、

大気の気温が上がれば、大気中の水分の含有量が上昇します。

そして台風が発生します。

台風は海水温が上昇するにつれ発達し、

その発達速度も加速していきます。

また、暖かい大気はより多くの湿気を保ち、大雨をもたらします。

時に「雨爆弾」のような豪雨となるのです。

高潮も増えます。

さらに、温暖化によってジェット気流が蛇行するため

何日間も同じ場所に留まることがあるそうです。

これが「経験したことのない」台風の正体です。

進行し続ける地球温暖化が背景にあるため

台風の脅威は益々高まるのです。

私たちは、毎年、過去最大級の台風の脅威にさらされ続けると覚悟しなければなりません。

海は地球全体を覆う熱と二酸化炭素をこれまで吸収し、

緩衝系を保ってきました。

しかし、二酸化炭素濃度がある閾値を超え、

その緩衝系が崩れてしまったことを意味しています。

ちょうど、河川の決壊からあっという間に

住宅街が呑み込まれていったように

地球全体の環境変化も急速にもたらされるに違いありません。

台風19号が関東を直撃している最中に

最大震度4の地震が発生したことも

私の悪い胸騒ぎを増長させました。

しかしながら、私はもう一つの危惧を抱いています。

「茹でガエルの法則」です。

「カエルを熱湯に入れると驚いて逃げるが、水に入れてじっくり煮ると気付かずに茹であがってしまう」という喩話です。

ややもすると、日本人は特に受容能力が高いため、

毎年激化する台風や自然災害に対しても

この「茹でガエル」のごとく、

台風19号の時も自分は大丈夫だったからと油断してしまうことです。

これは災害対策の問題だけではありません。

背景にある環境問題にこそ目を向けるべきです。

「茹でガエル」のように変化や根本原因に気づかずに

破滅を迎えてはなりません。

さて、「茹でガエル」には後日談があります。

生物学者によると、実際のところは

カエルは熱湯に入れたら飛び出る間もなく死に、

水に入れてじっくり煮ると温度が上がるほどに激しく逃れようとするのだそうです。

カエルはちゃんと肌感覚で分かっていて

(変に自分に都合の良い解釈を加えない分)ちゃんと状況に応じた行動が出来るのです。

むしろ私たちこそ、

そんな肌感覚を持ったカエルを見習うべきでしょう。