07. 『社員参謀』読了!

社会医療人の星

MEDプレゼン2016にご登壇いただいた荻阪哲雄氏の新著です(日本経済新聞出版社)。

今、これまでのビジネス書にはない読了感を抱いています。

無意識下に勇気づけられたような感覚です。

社員参謀! ―人と組織をつくる実践ストーリー 単行本(ソフトカバー) – 2016/6/25 荻阪 哲雄 (著)

社員参謀! ―人と組織をつくる実践ストーリー 単行本(ソフトカバー) – 2016/6/25 荻阪 哲雄 (著)

一般企業の物語ですが、
医療界にも似たような話がたくさん存在しています。

病院内での組織変革に本気で取り組むのであれば、かなり参考になるはずです。

あるいは、既に組織変革に取り組んでいる医療者には、最高のエールとなるはずです。

本書は三作目のようですが、

前二作より、こちらをお薦めします(←荻阪さん、ゴメンナサイ)。

是非、組織で働く人間ドラマとして読んで欲しいです。

医療人にとっても、得るもの大であることを保証します。

医療環境の劇的変化の中で、病院マネジメントが重要視されるようになりました。

無計画で野放図な設備投資や放漫経営は論外として、
病院によっては、乾いた雑巾を絞るような
Fact中心のマネジメントがなされているようです。

収益を確保するためのフォーマル組織はもちろん重要です。

しかし、そんな底の浅いマネジメントでは、人が乾いてしまいます。

対策として、
目に見えない価値を大切にするインフォーマル組織
意図的に組み込むことが重要です。

バランスシートからは見えてこない世界があることをはっきりと知りました。

そんなマネジメントの知恵と現場の人間の人情の機微が
細やかに表現されています。

組織が生き物であるということを教えてくれました。

実は、これは古くからある
日本的経営の根幹であると著者は指摘しています。

今回、この本に出会って
人間存在の複雑さを知ると同時に、
その無限の可能性も感じることが出来ました。

額の汗はもちろん、
心の汗も必要なのだと改めて感じました。

また、3つの方向性(存在意義未来の目的地やらない戦略)についても学びました。

極めて重要な視点です。

これからは、この視点で組織づくりを考えてみようと思います。

組織の中の「くせ者」の存在とその重要性についても
「なるほど!」と実感しました。

そして、目には見えない資本が、私にも少しだけ見えるようになりました。

私にとっての名シーンを列挙してみます。

p14-17 「師弟再会の夜」のシーン:こういう師を持つ人は幸せです。

私は、敗れました」という主人公に、師である教授がすべてを包み込むようなメッセージを授けます。この師弟の会話が実に羨ましいです。

p42 「お前しかできない体験を積んでいる。おめでとうだよ」という

軍師的存在である高杉 組織コンサルタントが、主人公 姿さんにかけた言葉が秀逸!!

p52 高杉さんの姿さんへの評価:「…ゆえに、姿は強い。敗れないのです

このような言葉で語られる姿さんもさることながら、そう表現する高杉さんも人物なのでしょう。

志を共有する者の厚き信頼関係を感じます。

親友とはこういう言葉を交わし会える関係なのかもしれません。

p58 高杉さんが、姿さんに、「自分のエゴが自分自身で見えているか」と問うシーン

さらにそれを正面から受け止めた姿さんが大きな覚醒をするシーン:

まさに真剣勝負の世界です。

p274檜垣社長の言葉:「社員一人ひとりが誇りを持てる会社へと変わりたいと考えている。

そのために、私自身がDJ社に誇りを持つことから始める

黒豹と呼ばれていた存在から明らかに変貌しています。

この気づきは本当に素晴らしい。

見習います。

p278 檜垣社長が全社員へメッセージを語るシーン:

まさにクライマックスのシーンですが、ドラマ化された場合、
どんな映像になるのだろうかと勝手に想像してしまいます。

やはり間接的な表現が良いような気がします。

という訳で、ネタバレにならない範囲で紹介したつもりです。

本書のタイトル『社員参謀』の深い意味は、

ご自身で本書を手にとって解釈して欲しいと思います。

その上で、

「参加する医療」の実現をミッションとするチーム医療フォーラムとしては、

いのちの社会における

「社員参謀」ならぬ「市民参謀」にならなければならないと決意しました。