SDGsをご存知でしょうか?
Sustainable Development Goalsの略です。
世界を変革しようとする社会医療人においては、
必須の概念だと思いますので、紹介させていただきます。
「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が
2015年の9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において採択されました。
この2030アジェンダは
2016年から2030年までに世界が目指すべき新たな羅針盤であり、
17 の持続可能な開発のための目標(SDGs)と169 のターゲットからなります。
2015年までのミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)を
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
MDGsが開発途上国を対象とした目標であったのに対し、
新しいSDGsは持続可能な環境や社会の実現のために
先進国を含む全ての国が取り組みの対象となっている点に注目すべきです。
そして、前文の
「我々はこの共同の旅路に乗り出すにあたり、誰一人取り残さないことを誓う」
というフレーズに世界のリーダー達の並々ならぬ決意を私は強く感じます。
貧困のみならず、あらゆる格差をなくすことが盛り込まれています。
持続可能な開発目標:SDGs
- あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
- 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
- あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
- すべての人々への包括的かつ構成な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
- ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
- すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
- すべての人々の安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
- 包括的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
- 強靭(レジリエント)なインフラ構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
- 各国内及び各国間の不平等を是正する
- 包括的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
- 持続可能な生産消費形態を確保する
- 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
- 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
- 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
- 持続可能な開発のための平和で包括的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
- 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
この中に、超高齢社会のビッグ・イシューである「人生ラスト10年問題」は
直接的には表現されていないようですが、
早晩、課題として認識されるようになると信じます。
高齢者の低栄養問題や認知症は、先進国の人々の重要な問題であるからです。
それらは、目標3に関わることは間違いないのですが、
目標16や目標17に含まれるようになるような気がしています。
英語力の乏しい私は、169のターゲットを読みこなすことはまだ出来ていません。
(日本語訳はまだ無いようです外務省で作成された仮訳があります)
(※ 清水広久先生から情報提供を頂きました。有り難うございます)。
関心のある方は、下記サイト(英文)を御覧ください。
SDGsに私が注目しているのは、
世界の有識者たちの方向性や意志をそこに感じるからなのです。
CSRを真剣に考えているような優良企業は
必ずこのSDGsに則って社会貢献をしてくるはずです。
病院組織でもそのような舵取りをする経営者が出てくるかもしれません。
有識者たちがそうなってほしいという願望も込めて書き上げられたのがSDGsなのです。
これから先、15年間の
世界規模での目標設定なのです。
理想論に過ぎないという意見もあるかもしれません。
しかしながら、
私は、この良き潮流に積極的に加勢したいと思っています。