213. 『働き方5.0』書評

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社会医療人の星

6/3出版の本書は、2016年の『これからの世界をつくる仲間たちへ』の新書化のようです。

コロナ禍で大きく世の中が変わろうとしている今だからこそ、

私にはとても納得感がありました。

2016年に読んではいなかったのですが、

このタイミングで本書に出会えて良かったと思っています。

>> 働き方5.0: これからの世界をつくる仲間たちへ

本書のタイトルは、「Society 5.0」に着想を得た著者が

ポストコロナ社会の新しい働き方を提唱するために用意した造語のようです。

*日本が提唱する未来社会のコンセプト
サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のこと
ちなみに、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)である。

本書で著者は「ワーク・ライフ・バランス」を意識するような働き方では駄目で、

「ワーク・アズ・ライフ」といえるような働き方をしようと提言しています。

それには、クリエイティブ・クラスの人間にならなければならないと言います。

このクリエイティブ・クラスが何たるか?

それが掴めるかどうかが鍵です。

最後の備忘録(読書メモ)をご参照ください。

(分からなかった人はぜひ本書に当たってください。読む価値は絶対あります。)

「言語化する能力」「論理力」「思考体力」「世界70億人を相手にすること」「経済感覚」「世界は人間が回しているという意識」「専門性」が重要なようです。

購入された方は、この7つを意識して読まれると良いでしょう。

特に、「世界は人間が回しているという意識」を持つことが大切だと感じました。

こうした絶対的な当事者意識こそが

クリエイティブ・クラスの人間の最たる特徴なのだと思います。

そして、自分の人生の問い、人生を賭けたテーマを見つけるのです。

その上で、下の5つに答えられるテーマであるかを自らに問いましょう。

  • それによって誰が幸せになるのか。
  • なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
  • 過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
  • どこに行けばそれができるのか。
  • 実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。

落合さん、ほんとマジだね。素晴らしい!!

本書で素晴らしい一節に出会いました。

著者が友人たちと「この世でいちばん幸せな人は誰か」という話で盛り上がった時の結論です。

それは「ブータンの山奥で、いつか世界を変える(と自分では思っている)ビジネスモデルを作っている人」だそうです。

-べつにブータンでなくてもいいのですが、物質的には決して豊かではないが人間的に幸福でいられるような社会が提供される場所で、誰にも評価されることもなく、自分の妄想の世界に閉じこもって、ひとりで世界を変える作戦を練る。まわりから見ればただの変わり者かもしれませんが、本人にとっては至福の日々でしょう。

うん、うん、わかる わかる。納得です。

この一節に出会っただけで、私はとても幸せになりました。

例によって、最後に読書メモを記しておきます(こっちの方が長い!?)。

  • 「非接触型インターフェイス」
  • 「デジタル・レイバー」、つまり「仮想知的労働者」
  • 「クリエイティブ・クラス」米国の社会学者リチャード・フロリダの造語
  • 「ギグエコノミー」
  • 「Society 5.0」:サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会
  • ウィルス禍
  • イデオロギー単位の戦いから、一人ひとりが作り上げていく「個別の文脈」にあらゆることが分化していく
  • つまり、コンピュータは電気製品ではなく、我々の第二の身体であり、脳であり、そして知的処理を行うもの、たんぱく質の遺伝子を持たない集合型の隣人です。
  • システムにはなくて人間だけにある「モチベーション」
  • レスター・C・サローは『知識資本主義』という著書の中で、これからの資本主義は「暗黙知」が重視される世界になると訴えています。
  • 専門的な暗黙知を持つクリエイティブ・クラスを目指すべき
  • クリエイティブ・クラスの人間が解決する問題は、他人から与えられるものではありません。彼らの仕事は、まず誰も気づかなかった問題がそこにあることを発見するところから始まります。
  • 教科書を読んで勉強するのがホワイトカラーで、自分で教科書を書けるくらいの専門性を持っているのがクリエイティブ・クラス
  • メカニカルアーツ(手を動かす仕事)を扱う能力を身につけた上で、リベラルアーツを持っている人間にだけ大きな価値がある
  • 「意識だけ高い系」
  • 人間とコンピュータはどちらがミトコンドリアなのか
  • 「デジタルネイチャー」「思考体力」
  • 思考体力の基本は「解釈力」、検索で知った答えを自分なりに解釈して、そこに書かれていない深いストーリーを語ることができるかどうか
  • 私が思うに思考体力のある人間は常にマジです。そういった人は自分の人生の問いについて24時間、365日考え続けています。
  • 「自動翻訳は、ちゃんと翻訳してくれない」と文句をつける人の多くは、そもそも自分が日本語で明確な文や機械が翻訳しやすい文を書けていない
  • コミュニケーション能力が求められるのは、あくまでも「世界の問題を解決するため」です。
  • 世界が「システム」だと思い込んでいる人は、それを人間のせいだとは考えません。うまく稼働すれば「システムの優秀さ」、うまく稼働しなければ「システムの不具合や故障」のようなものだと受け止めている人は多いはずです。そしてひいては自分も社会の主体であるにもかかわらず、「社会のせい」にしていってしまいます。
  • 自分にとっての「幸福」が何なのかが曖昧だと、つい他人の幸福に目を奪われ、「こいつらと比べて自分はなんて不幸なんだ」と嫉妬するだけの状態になりかねません。
  • 「ワーク・アズ・ライフ」 (✖(バツ)「ワーク・ライフ・バランス」)
  • 「消費」と「投資」の違い
  • 「言語化する能力」「論理力」「思考体力」「世界70億人を相手にすること」「経済感覚」「世界は人間が回しているという意識」「専門性」
  • 才能という言葉だけでは表しきれない猛烈な執念のようなものが「変態」からはただよってくるのです。
  • システムには「モチベーション」がありません。 「これがやりたい」というモチベーションがある人間は、コンピュータが手助けしてくれます。
  • 「いまできる人類の最高到達点に足跡を残す」

(2020年6月10日)