日本医療経営実践協会が主催する
“医療経営士*の合格者のつどい”にて講演の機会を得ました。
臨床系の医療従事者は少なく、医事課スタッフや企画部、製薬会社職員や銀行員など多様な参加者で、弁護士さんも混じっていました。
*医療経営士:医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた人材
いつもの私の講演とは参加者層が違いましたので、
このために特別な講演メニューを用意しました。
タイトルは「”求められる人材”から”活躍する人財”へ」としました。
アウェイ感のあるこのような状況においては
冒頭で関心を持っていただけるかが鍵です。
「つかみはOK」の状態を作り出すことが大切です。
そこで、私が繰り出したネタは、ISSUE DRIVEN です。
安宅和人著『イシューからはじめよ』がオリジナルです。
2010年の出版ながら、今も売れ筋ランキング:本-585位ですから
相当なロングセラーです。
それだけ世の中に影響を与え続けている書なのです。
知的生産を圧倒的なレベルで上げたいと思うなら、
本書の序章を熟読すべきです。
(立ち読みできる分量ですが、是非ご購入ください。)
その序章のサブタイトルは、脱「犬の道」です。
「犬の道」って何?と多くの方が思われるかもしれませんが、
多くの人が辿ってしまうのが、実はこの「犬の道」なのです。
そして、いつまでたっても生産性が上がらない人になってしまうのです。
まず、横軸にイシュー度、縦軸に解の質としたマトリクスを考えてみます。
その時、生産性の高い仕事は上図の黄色い第2象限部分(右上)に位置します。
縦軸の「解の質」とは、「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」です。
次に、私達の仕事を先のグラフにプロットすると、
何と、殆どが第3象限(右上)の最もバリューのある仕事から最も離れた場所(左下)に位置しているのだそうです。
愕然とさせられます。
でも、それが真実なのです。
ここで絶対にやってはならないのが、
「一心不乱に大量の仕事をして右上に行こうとする」ことなのです。
「労働量によって上にいき。左回りで右上に到達しよう」というアプローチです。
これが「犬の道」であり、実のところ、右上に行くことはないのだと断言しています。
「一生懸命にやってます」「昨日も徹夜でした」といった頑張り方は、
殆どが「犬の道」です。
根性論で走り出してはいけないのです。
著者は「根性に逃げるな!」といいます。
「犬の道」に陥らないために大切なのは、
最初に、イシューの見極めを徹底して行うことです。
考えて、考えて、考え抜くことで、イシュー度の高い問い、切り口を見出すのです。
その上で、「解」の徹底した磨き込みをしていくのです。
この順序が大切なのです。
ISSUE DRIVENの考え方に、全くの同感です。
すごく腑に落ちました。
私は誰よりも納得している自信があります。
それもそのはず、
「ツ・ナ・ガ・ル」の取材で、1:1で著者の安宅さんにお話を伺ったからです。
その上、予定時間を大幅に上回って(←秘書さんの顔が引き攣っていました)、
貴重なお話もいただきました。
このネタは、今後のメルマガ用に温存しておきましょう(笑)。
2018年6月6日