私の好きな映画俳優の一人にホアキン・フェニックスがいます。
彼については
Vol.30でも触れましたが、
作品毎に役に成り切る「役者魂」に魅せられています。
余談ですが、実生活での恋人のルーニー・マーラは
本作でも共演していますが、
「her」での共演がきっかけだったそうです。
『グラディエーター』『ビューティフル・デイ』での存在感も抜群でした。
特に本作のポスターを見た際に
ホアキン・フェニックスとは全く気づきませんでした。
映画の紹介に移りましょう。
最近の映画では
アルコールや薬物の依存症をテーマにしたものを多く見かけるようになりました。
主人公のジョン・キャラハンは、その依存症のために交通事故に会い
脊髄損傷で半身麻痺どころか
両手の動きもままならない状態に陥ってしまいます。
事故後も依存症との闘いを繰り返す中で
風刺漫画の才能を見出し、
恋人や友人たちの支援を受けてたくましく生きて行きます。
そんな彼の半生を
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のガス・ヴァン・サンド監督が
優しい眼差しで映し撮っています。
おまけに舞台が、住民自治で全米一住みたい街となったポートランドです。
街づくりに関心のある人なら必ず知っている街です。
自転車の街としても知られ、
自転車が趣味の私の息子も、実際にポートランドに行ってきて絶賛していました。
偶然なのでしょうが、
ジョン・キャラハンもガス・ヴァン・サンド監督もポートランドの住民だったのだそうです。
街並みの美しさと人の好さも映画の見どころの一つだと思います。
ドニ―という金持ちの青年の存在にも注目です。
禁酒会の主催者で、キャラハンの友であり師でもありました。
実在したのかどうかは不明ですが、
人生の深み、哀しみを私に教えてくれました。
驚きの発見は最後にありました。
エンドロールの最後にこのロゴが飛び込んできました。
NETFLIXが自主映画を製作、配給し、
アマゾンも始めたとは聞いていましたが、
こんな身近でメジャーな映画をつくっているとは知りませんでした。
なんと、ジェフ・ベゾスは「アカデミー賞を狙う」と宣言までしているそうです。
調べてみたら、先日観た『ROMA/ローマ』はNetflix制作でした。
何と、2019年アカデミー賞 外国語映画賞、撮影賞に輝いています。
Huluも頑張っていました。
『Minding the Gap』は長編ドキュメンタリー賞にノミネートされていました。
Netflix、アマゾン、Huluの3大映像配信サービスの台頭により
映画界の勢力分布も変わってくるに違いありません。
それにしても、Amazon本体は映像配信サービスではないことに驚かされます。
生態系として広がっているのです。
Amazon 恐るべしです。
2019年5月22日