58.「素晴らしき能の世界」

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社会医療人の星

先日、生まれて初めて能の舞台を鑑賞しました。

友人の武田宗典さんが、

銀座に新しく出来たGINZA SIXで独演会を務めるということで

喜々として行ってきました。

GINZA SIX内観

GINZA SIX内観

地下3階の観世能楽堂

地下3階の観世能楽堂

これまで武田さんが正式な舞台以外で披露される唄と舞に

少なからぬ感動をしていましたが、

本物の舞台は本当に素晴らしい世界でした。

能楽とは、室町時代より600年以上演じ受け継がれてきた舞台芸術で、

能と狂言を包含する総称です。

ちなみに、野村萬作・萬斎 親子で知られる狂言は

能と同様に猿楽から発展した伝統芸能ですが、滑稽味を洗練させた笑劇です。

極めて真面目で、超越した世界を表現したのが能と言えるでしょう。

言葉や節回しは室町時代の様式を今に残しているため、

高校時代、古文が苦手だった私には、正直、台詞のコトバは理解できませんでした。

しかし今は、音声ガイドというスグレモノがあります。

これによってかなり楽しめました。

これまで日本史で習った観阿弥・世阿弥の天才親子の存在を知っている程度でしたが、

今回の鑑賞を気に少し詳しくなりました。

演技はシテと呼ばれる主役中心主義で、人間や幽霊、神、草花の精などを演じます。

シテの相手をするのがワキで、面をつけずに生きている男を演じて物語を進行させます。

能舞台は3間(約6m)四方の正方形の本舞台に橋掛かりがつきます。

能の演目にはあの世を主題にしたものが多いようですが、

霊が登場して過去を物語る夢幻能では橋掛かりがあの世と現世をつなぐ役割を果たします。

今でも上演される現行曲は240曲もあるそうです。

2001年5月、狂言と共に

ユネスコの「人類の口承および無形遺産の傑作」と宣言されました。

今回の主演目は『井筒(いづつ)』で、

作者の世阿弥が「上花なり」と自賛した「究極」の作品なのだそうです。

確かに、非日常の極みを体感できました。

あの世とこの世の中間の世界に身を置いたような感覚があり

鑑賞後は魂(潜在意識)が浄化されたような気がしました。

白状すると、鑑賞中、ちょっと眠ってしまっていたかもしれません。

舞台に集中しているような、眠っているような感覚でした。

舞台の総合的な演出によって、

不思議な世界に誘われたという感じです。

まさに幽玄な世界です。

また、能で印象に残ったのは、

演じる人たちの真剣な表情です。

日常生活で、あのような真剣な顔を見たことがないというような

不思議な表情を醸し出していました。

このような一途で真面目な世界があったのか、と感動しました。

能の世界は分からないことばかりですが、

これまでの生活では出会うことのなかった新鮮さに溢れています。

少し嵌ってみようと思います。

さらに、武田さんによれば、「能は人を健康にする」そうです。

今回私も不思議な浄化力を体験して、心から納得しました。

鑑賞するだけでもそうなのですが、

武田さんの真意は、唄(謡)と舞を実際に演じる方が

より健康になるということなのだと思います。

そのせいか、能は女性たちの間で静かなブームになっているらしいです。

能ガールというそうです。

近い将来、「謡」に挑戦したいと目論んでいます。

実は今回、和装にも挑戦してみました。

孫次郎の能面とのツーショット

孫次郎の能面とのツーショット