181. 『運気を磨く』書評

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社会医療人の星

ジョセフ・マーフィーの『聴きながら夢をかなえる』や

ナポレオン・ヒルズの『思考は現実化する』などの成功哲学を御存じでしょうか?

ジョセフ・マーフィーの『聴きながら夢をかなえる』ナポレオン・ヒルズの『思考は現実化する』

これらは人生で成功するための秘密を

潜在意識のマネジメントから解き明かしています。

こうした成功哲学や潜在意識マネジメントの書籍や講習は数多とあり、

自己啓発分野の大きなカテゴリーになっています。

まだ知らなかったという方、

知っておいても損はないと思います。

初心者にお薦めなのが、映画『The Secret』です。

ポジティブシンキング、「引き寄せの法則」などの理論を

数多くの成功者への取材とエピソードによって分かりやすく解説しています。

幸い日本語版もDVD化されています。

映画での学びは、非常に効率的です。

映画のもとになったロンダ・バーン著の書籍は、

50か国で訳され、2000万部以上を売り上げ、世界的ベストセラーになっています。

これらの成功哲学に

多くの人が関心を持っているのは間違いないでしょう。

 ロンダ・バーン著

ロンダ・バーン著

これらの成功哲学に通底しているのが、

潜在意識マネジメントの重要性です。

確かにその通りです。

しかし、潜在意識マネジメントは言うほど簡単ではないのです。

実践したことのある人であれば

その難しさを実感されていることでしょう。

先の映画や書籍が言うほど、決して簡単ではありません。

これまでたくさんの関連書籍が出版され、

また、たくさんの講師が講演をしていますが、

その著者や講師自身が必ずしも成功しているようには見えない場合もあるため、

胡散臭い世界のように捉えられているのも事実でしょう。

当初の期待感も一回りして、落胆に変わりつつあるようにも映ります。

前置きが長くなりましたが、

田坂広志氏の最新著『運気を磨く』には

「運気」というものの構造がしっかりと解明されています。

(これだけでも大発見です。)

のみならず、それを掴むための方法論も具体的に書かれています。

これまでの潜在意識マネジメントの諸本とは、一線を隔しています。

まず、心における五つの世界に触れておかなければなりません。

勝手に五層ピラミッドをイメージしてみました。

第三層を黄色で強調しているは、この世界の扱いが最も重要だからです。

この個人的な無意識の世界は、上の二層よりも強力で

人類の叡智ともいうべき下の二層への入り口となります。

このことを最初に押さえていただきたいと思います。

心における五つの世界

さて、この書から私は三つの深い学びを得ました。

第一に、潜在意識(無意識)のマネジメントが上手くいかない理由についてです。

それを簡潔に表現すれば、「無意識の世界の双極的な性質」となります。

無意識の世界では、表面意識の世界で無理にポジティブになろうとすると

無意識の世界に負の想念が生まれてしまうということです。

我々の無意識の世界は、表面意識の世界と反対の想念が生まれる「双極的な性質」を持っているため、ポジティブな想念を抱こうとすると、逆に、心の奥深くにネガティブな想念が生まれてしまう。

この指摘は、正鵠を得ていると思います。

これまでの潜在意識のマネジメントに限界がある理由が一気に理解できました。

これだけで運気というものの構造の半分を掴んだような気がします。

2つめの学びは、先の五層のピラミッドの「超時空的な無意識の世界」についてです。

私はかねてから人類の叡智ともいうべきものがどこかに存在しており、

限られた賢人のみがその鉱脈にアクセスできると考えていました。

まさに「超時空的な無意識の世界」です。

その世界が最先端の量子物理学のゼロ・ポイント・フィールド仮説と深い関連があることが示されています。

*Zero Point Field仮説:宇宙のすべての場所に偏在するエネルギー場であるZero Point Fieldに、宇宙の過去、現在、未来のすべての情報が記憶されているという仮説(「ホログラム的な構造」で「波動」として記録される)

ゼロ・ポイント・フィールドは、この世界のすべて、過去・現在・未来を記憶しています。

「未来」が含まれていることを意外に感じられるかもしれませんが、

この場合の「未来」は量子力学的な意味での確率分布でしかなく、

その「未来」は私たちの意思で変えることが出来るといいます。

なるほどです。

しかしながら、こんな私の解説では皆さんは納得されないでしょう。

十分承知しています。

是非、P.74~105をお読みください。

現代物理学の知見からこの世の中の深淵を知ることが出来るでしょう(ホントです)。

ここまででも相当に価値ある洞察ですが、

本書の主題はそれを超えたところにあります。

それが第三の学びです。

田坂氏の著作は交響曲のようだと私は思っています。

読み進んで後半に向かうにつれ、

交響曲のクライマックスのように読者の気持ちを高揚させます。

本書でもそれを味合わせていただきました。

「全肯定」「絶対肯定」の思想の段で、最高潮を迎えました。

「良い運気」と「悪い運気」という二項対立の思想をも昇華していく結論には

唯々、圧倒されました。壮大なエンディングでした。

皆さんも是非、直に味わってください。

まだまだ消化し切れていませんが、

壮大な新大陸に出会ったような気分です。

私は今、人類の新たな門出を予感しています(大袈裟ではありません)。

P.229に「我々の心の奥深くに存在する、深い叡智、最高の叡智を持った「我々自身」」については、紙幅の都合上、次の機会に… とありました。

気になって仕方がありません。

次なる奥義の開陳に期待しています。