あるイベントで、ネイティブ・アメリカン チェロキー族の伝説を知りました。
『二匹の狼』の叡智を紹介します。
二匹の狼
一人のチェロキーの年寄りが、孫たちを集めて、「人生」について、次の様に教えた。
人間の心の中には、二匹の狼が住んでいる。
その二匹の狼は、私の中でも、つねに悲惨な戦いを、くりひろげている。
一匹は、悪い狼だ。
その狼は、怒りであり、ねたみであり、嘆きであり、後悔であり、強欲であり、傲慢であり、自己憐憫であり、過ちであり、敵意であり、劣等感であり、嘘であり、うぬぼれであり、自尊心であり、競争心であり、優越感であり、そしてエゴだ。
もう一匹の方は、良い狼だ。
それは、喜びであり、平和であり、愛であり、希望であり、穏やかさであり、謙遜であり、優しさであり、思いやりであり、慈悲の心であり、寛大さであり、真実であり、哀れみであり、そして信頼だ。
私の中でこれら二匹の狼が絶えず争っているように、お前たちの中でも、闘いが起きているし、それはまた、すべての人達の心の中でも起こっているんだ。
孫たちはしばし黙ったまま、その言葉の意味を、考えていた。
やがて子供の一人が祖父に尋ねた。
「で、一体どちらのオオカミが勝つの?」
年寄りは静かに答えた。
「それはおまえが餌を与える狼の方だ。」
一人の人間の心には悪いオオカミと良いオオカミが同時に存在しています。
この人間の心を私たちの社会に置き換えてみましょう。
社会に害をもたらす組織もあるし、
反対に社会に益をもたらす組織もあります。
今日、組織は企業とも言い換えることが出来ます。
私たちが社会の一員として
日々の消費活動を行うとき、
悪い企業の製品を買えば悪い企業を増長させ、
良い企業の製品を購入するなら良い企業が反映できることになります。
私たちは消費という投票によって
目指すべき社会を引き寄せることが出来るのです。
これは、膠着化した政治に解決を求めるより
確実な方法なのかもしれません。
以前、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)について書きました。
あるとき、社会に営利を追求する企業が生まれました。
営利企業は、非営利の組織とは違い、
その目的意識が明確で利潤追求の過程の中で
様々な素晴らしい製品、サービスを生み出してきました。
社会に多大な恩恵をもたらしてきたといえます。
本業を通しての社会貢献です。
CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)と言えるのかもしれません。
ただ、営利企業は
非営利企業との対比の中から、贖罪的なCSRの概念を自発的に生み出しました。
営利企業が社会の中で、その存在理由(必然性)を自ら証明しようとしているのです。
この企業の社会的責任に注目したいと思います。
そう、CSRです。
先のチェロキー族の伝説を想うとき、
このCSRは、私たちに別の意味合いをもたらしてくれそうです。
Customer Social Responsibility
あるいは
Civic Social Responsibility
消費者 あるいは 市民として
どの企業に加担するのか?
その選択(ある意味、投票)を通して、
私たちの社会、特に未来社会が決定づけられていくのです。
企業のみならず、
消費者の、市民の責任をも自覚しなければならないのです。
2019年2月6日
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A Cherokee Legend
“TWO WOLVES”
An old Cherokee is teaching his grandson about life. “A fight is going on inside me,” he said to the boy.
“It is a terrible fight and it is between two wolves. One is evil – he is anger, envy, sorrow, regret, greed, arrogance, self-pity, guilt, resentment, inferiority, lies, false pride, superiority, and ego.”
He continued, “The other is good – he is joy, peace, love, hope, serenity, humility, kindness, benevolence, empathy, generosity, truth, compassion, and faith.
The same fight is going on inside you – and inside every other person, too.”
The grandson thought about it for a minute and then asked his grandfather, “Which wolf will win?”
The old Cherokee simply replied, “The one you feed.”