212.『人生100年時代の養生訓』を出版します

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社会医療人の星

6月17日に念願の新著を出版します。

前作が2008年でしたから12年ぶりとなります。

その間、どこに寄り道していたんだろうと反省しきりです。

実は、本作も執筆スタートから2年以上が経っています。

まったく筆が遅いのには困ったものです。

2週間後に迫った発売日を前に

しっかりと宣伝しておきたいと思います。

(何と、Amazonでは予約受付が始まっています。)

人生100年時代の養生訓——長寿がもたらす難問を解く

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ご存知のように、私たちの人生は100年になろうとしています。

人生100年時代の到来です。

医学の発展によって、不可能と思われていたがんの制圧も射程圏に入ろうとしています。

新型コロナウィルスなど感染症の脅威も大きくなりそうですが、

がんが制圧されれば人生100年時代は夢物語ではなくなりそうです。

しかし、人生100年時代は良いことだけではありません。

むしろ課題山積といったほうが適切かもしれません。

最初の問題意識としては、

寿命が伸びたことによって、生命寿命と健康寿命との間に

10年のギャップが生まれたことを挙げたいと思います。

この10年には医療や介護のお世話になる期間となりますが、

そこには様々な問題が噴出していきます。

私はこれを「人生ラスト10年問題」と名付けています。

それは個人レベルでは勿論、国レベルでも大問題となります。

その期間にかかる費用は社会保障費として、

今や国家財政における最大の支出になっています。

誰も、どの国も、全く経験したことのない大問題に直面しようとしているのです。

簡単には答えは見つからないでしょうし、

何度も軌道修正をしながら行くべき道を探し出さなければなりません。

その道筋を「人生100年時代の養生訓」としてまとめたのが本書です。

本書の要点は、たった2つです(←著者が言うんだから本当です)。

人生100年の難問は、様々な問題群が循環構造化していて

大きな生態系となっています。

一つの問題を解決したように見えたとしても、

他の問題が相互に複雑に絡み合っているため、実際には解決できていません。

デカルト・ニュートン以来の要素還元主義のサイエンスの手法では

永遠に解決できないといえます。

この時、大切なのは生態系全体を俯瞰し、

ツボとなる要所を見出すことです。

その要所に集約して働きかけると

全体が一気に解決に向かうのです。

(東洋医学の手法がまさにこれですね。)

超高齢社会におけるその要所(ツボ)は何でしょう?

それは「筋肉」です。

一瞬、意外に思われるかもしれませんが、真実です。

これが本書の一つめの要点です。

では、2つめの要点は何でしょう?

私たちの祖先であるホモ・サピエンスは

20万年前にアフリカの地に誕生したことが分かっています。

当初は僅か数千人の集団だったそうです。

それが今や70億人にも増え、

人間が住めるとは思えないような過酷な地に

人類はその版図を拡大しています。

アフリカを出発点として、あまねく世界中に繁殖しています。

それをグレート・ジャーニーと言います。

覇者となったホモ・サピエンスですが、

体格でも脳の大きさでも他の霊長類に優っていた訳ではありませんでした。

劣っている点もたくさんあったのです。

しかしながら、ホモ・サピエンスには

どうやら3つの大切な特徴があったようなのです。

それはグレート・ジャーニーにおいて最強の武器となりました。

そして、人生100年の難問において

その3つの武器を駆使していこうというのが2つめの要点です。

グレート・ジャーニーは空間的な繁殖だけではありません。

当初、25年程度の寿命だった先祖たちが

農耕技術を獲得し50年の寿命に

さらに医学や社会制度の進歩によって100年の寿命に到達せんとする

長い旅路でもあるのです。

あぁ~、もうこれ以上は語れません。

あとは本書を買って読んでください。

お願いします。マジで。。

(2020年6月3日)