先日、ANA沖縄就航50周年記念フレスコバルディ・ワインメーカーズディナーという
イベントにお誘いいただいたので、いって参りました。
場所は、沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ。
実は思い出の場所です。
ここの10階には、かつて、『ベルビュー』というフレンチレストランがありました。
夏は、東シナ海に沈む夕陽をみながらシャンパーニュで乾杯したり、
秋には、仲良しのソムリエのみなさんと、山海のさまざまな食材を取り寄せて、
ワインとのマリアージュを楽しんだりしました。
雷鳥もいただきましたョ。
ちなみに、雷鳥は日本では天然記念物。
食べちゃっていいの?? と思った方もいるかもしれません。
実は、食べた雷鳥…、スコットランド産です。
高山植物を食べているので、独特の香り。
翌日まで雷鳥の余韻が残っていました。
半固形化で著明な蟹江治郎先生にもご紹介し、
とても気に入っていただいたレストランでした。
そんな楽しい仲間との想い出がいっぱいのレストランでしたが、
ここ数年の景気不振のためか閉店。
今回は数年ぶりに「このイベント限定」で復活したんです。
もうすでに別な店に移籍してしまったソムリエさんもいますが、
かつての顔ぶれも何人かお会いすることができ、本当に感無量でした。
さて、今回のイベント、フレスコバルディというイタリアのワインメーカーの方がきて、
ワインの説明をしてくれる…はずでした。
フレスコバルディといえば、フィレンツェで1000年もの伝統を誇る名門。
12世紀ごろからワインを作っていたともいわれ、
14 世紀には英国王室をはじめとした各国の王侯貴族にワインを提供していたそうです。
近年では、「カリフォルニアワインの父」ロバート・モンダヴィとのジョイントで、
『ルーチェ』というプレミアム・ワインを生み出したことでも有名です。
そんなフレスコバルディ、いったいどんな方を送り込んでくるんでしょうか?
同じテーブルで食事をすることになっているので、もうドキドキです。
もしかして、眼光鋭いインテリ・セレブ?? 蘊蓄とか語っちゃう??
現れたのは…、エリカ・リバルディさん。
フレスコバルディのアジア・太平洋地区のエリア・マネージャーだそうです。
なんか、いきなりハジケちゃってます…。
エリカさん、マイクも使わず、いきなり大きな声でレクチャー。
結構しっかりウケも取ってます。
各テーブルに挨拶にいったきり、そこで盛り上がってしまって、戻ってきません。
あれ? このノリで来ちゃった?? なんか、すごく意外な感じです。
あんまりエリカさんがマイペースなので、
みんなでふざけて、「エリカ様」って呼んでましたョ。
エリカさん、ご主人との出会いもワインだったそうです。
ニューヨークでつまらなそうに飲んでる「オジサン」がいて、
「そんなにつまらないなら、ウチのワイン飲みなさいョ。」と、
フレスコバルディのワインを送りつけたそうです。
それがきっかけでご結婚。
ご主人は結婚3度目。
恋多き人生の方だったそうですが、かれこれ13年も夫婦円満だそうです。
その秘訣は、エリカさんの作るおいしい料理とワインだそうですョ。
エリカさんが友達や家族とワインを飲むとき、
カジュアルなワインを、気取らずに飲むことが多いそうです。
「ワインは、友達や家族と楽しい時間を過ごすための言い訳よ。」
カッコいいですね〜。
この話を聞いて、ついつい思い出してしまったのは、
先日、元H2Oの中沢堅司さんと共演?させていただいたときのことです。
『想い出がいっぱい』、いい歌ですよね。
中沢さん曰く、
「音楽は、楽しいとき、悲しいとき、辛いとき、うれしいとき、生活を楽しむサプリメントのようなものです。」
こちらもカッコいいですよね〜。
ワイン、音楽、それぞれの専門家の方々が、
ワインや音楽を「人生のスパイス」として上手に使いこなしているところが
カッコいいと思います。
エリカさん、そうはいいながらも、名門ミラノ大学でワインの醸造学を究めた、
超エリートなんですョ。
このギャップがたまらないですよね。
本当に、豊かな人生を過ごしているんだなぁと思いました。
懐かしい『ベルビュー』で、フレスコバルディのワインを飲みながら、
しみじみと考えました。
ワインは、友達を作る魔法の杖。
これからも、みなさんと楽しくワインを飲めることを楽しみにしています。
次回は、ふたたび『死と音楽』について書いてみたいと思っています。
※掲載内容は連載当時(2011年12月)の内容です。