16.「ワインと料理のマリアージュ」

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ツ・ナ・ガ・ル ハーモニー♪吉田貞夫

存知のように、ワタクシ、泡盛マイスターのほかに、

ソムリエ&シニア・ワインエキスパートなどの資格を取得しております。

すると、ある出版社の方から、こんな企画をいただきました。

『めざせ! 栄養剤・補助食品のソムリエ』

栄養剤を経口摂取していただく際に、

味やフレーバーはとても重要な要素なのではないかという内容でした。

なるほど、確かに、そういう話題にワタクシは「うってつけ」かもしれませんね。

そこで、もう一度、原点に戻って考えてみました。

いったい、ソムリエの役割とは何なのでしょうか?

そのなかで、一流のソムリエは、

その場面で客がどんなワインを好むかを一瞬でかぎ分けることができ、

「甘みを引き立てる酸味」などといった

味覚のバランス、アクセントのことも熟知している、

とご紹介させていただきました(『ヘルスケア・レストラン 2013年7月号』)。

ソムリエたちがワインを選ぶ際、重要視するのは、

ワインをどの料理に合わせるかということです。

ワインは、それだけで飲んでもおいしいかもしれませんが、

料理と合わせることによって、そのおいしさが何倍にもなることがあるのです。

例えば、フランスのボルドー地方の高級な赤ワイン。

これを、それだけで飲むと、場合によっては、タンニンの渋みなどが強く感じられ、

飲み飽きてしまうかもしれません。

しかし、こうしたワインと牛や鴨などの肉料理を合わせると、

タンニンの渋みが和らいで、

チョコレートやコーヒーのような風味に感じられることがあります。

また、肉料理と味わうことによって、

ワインの果実味や、甘みなどがかえって強く感じられ、

その複雑な風味を余すことなく味わい尽くすことができることもあるのです。

こうした、ワインと料理の組み合わせを、「マリアージュ」といいます。

マリアージュとは、もともと結婚のこと。

昔の人たちは、このワインにはこの料理を合わせて楽しむべきという強い信念を持って、

マリアージュと呼んだのかもしれませんね。

マリアージュの基本は、まず、共通の風味を見つけ出すことです。

チリやカリフォルニアのような暖かい地域で作られた、

トロピカルフルーツのような香りのある白ワインには、

パッションフルーツなどをソースに使った魚料理などを合わせます。

もっとシンプルに、色を合わせるという考え方もあります。

例えば、トマトソースの料理には、軽めの赤ワインを合わせるという感じです。

こうしたマリアージュは、臨機応変のものですが、

実は、それ以外に、ワインと、

その生産地の地元料理を合わせるという形式の「古典的な定番マリアージュ」が

たくさん知られていて、ソムリエになろうという人は、

これをひとつひとつ覚えていかなければならないのです。

実際に、ソムリエの試験にも、必ず出題されるんですョ。

例えば、鴨のコンフィと合わせるワインは? という問題では、

フランス南西地方の赤ワインであるカオールなどと答えます。

フィレンツェの高級赤ワインであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノでしたら、

ビステカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーンステーキ)を合わせる

といった具合です(01)。

自分は、ソムリエとしてレストランで働いたことこそありませんが、

これまで、友人のソムリエやシェフのご協力のもと、

さまざまなマリアージュを楽しむワイン会を企画してきました。

例えば、アジアのワインと中華とか、

最初から最後まで、すべてスパークリングワインを楽しむ『泡の夕べ』や、

個性豊かな6種類のロゼワインを楽しむ『ロゼで人生バラ色!』といった企画などです。

こうした企画で、ワインと料理がうまくマッチして、

お客さまが心から喜んでくれたときのうれしさといったら、喩えようがありません。

とくに、ロゼの会は、色とりどり、味わいも異なるロゼワインを世界各地から取り寄せ、

沖縄の野菜や、トマト、蟹、トラウトサーモン、

挙げ句の果てには、黒トリュフ、フランス産鴨胸肉のロティ・フランボワーズソースまで、

さまざまな食材とのマリアージュを楽しんでいただき、

ワイン通の方からも大変高く評価していただきました。

本当に、一生に一度、一期一会といっていいくらいの思い出です。

ロゼの会 http://bit.ly/1eUhH9R

ロゼの会 http://bit.ly/1eUhH9R

フィレンツェの高級赤ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(ビオンディ-サンティ)

フィレンツェの高級赤ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(ビオンディ-サンティ)

そんな、ワインと食材に並々ならぬ情熱を傾けてきたワタクシの、

最新のエピソードをお話します。

ライブのための出張も多く、大規模なワイン会を企画するどころか、

友人のソムリエさんのイベントにも参加できない今日このごろ…。

衝撃のマリアージュは、そうした出張の帰りの飛行機で見つけました。

その日は、ちょっと贅沢をして、ANAのプレミアムクラスに乗せていただいておりました。

機内では、ちょっとしたお弁当が出ます。

ワイン、日本酒などの飲み物も飲み放題。

この日は、赤ワインを頼んでみました。

まあ、飲み放題ですから、ボルドーの、比較的どこにでもある感じのワインが出てきます…。

この、ごくごくふつうの赤ワインを、とってもおいしくした食材があったんです。

何だと思いますか??

それは、大根の桜漬け。

大根を梅酢に漬けた漬物です。

漬け物の酸味や、大根の風味が、まだ若くて、硬い感じのタンニンを、

シルクのようになめらかにして、心地よい後味を引き出しました。

また、塩分が、ワインのほのかな甘みを呼び覚まし、

それはそれは、豊かな味わいに変身させたんです。

ニュートリションケアの2013年12月号にもチョロッと書いてしまいましたが、

大根の桜漬けと赤ワインを合わせた自分って、ホント、天才だと思いました。

← 言い過ぎ?

さて、次回は、この続き。こんなものには、意外とこんなワインが合うかもといった、

マリアージュ番外編をお送りしたいと思います。

ご期待ください。

※掲載内容は連載当時(2014年2月)の内容です。