『デンマルク国の話』は内村鑑三の著作で
明治初期、多くの日本人にはるか遠くの北欧の国、デンマークを紹介しました。
それは当時の日本人のみならず、今日の日本人にも
ダルガス父子の美談を通して好印象を与えていると思います。
しかし、現地に来てダルガス父子の話をしても、
殆ど知られていないことに驚かされます。
荒廃した国土を植林で再興していった話は
ダルガス父子だけの功績というよりも
当時の多くの人々が協力して可能になったのでしょう。
文才のある内村氏がダルガス父子の美談として紹介したために
その名前が日本で独り歩きしたのだと思います
(内村鑑三の筆力を思わざるを得ません)。
という訳で今回はデンマークの話題で書いてみます。
というのも、ESPENという欧州の経腸栄養学会参加のため
デンマーク・コペンハーゲンに来ているからなのです。
コペンハーゲンで感じるのは、何と言ってもシンプルなデザインです。
建物、家具、日用品、あらゆるものに独特のシンプルなデザインが活かされています。
禅に見られるような日本文化のシンプルさとは、また違う印象なのです。
この写真を見てください。
これはかの学会の教育講演でのデンマークの大学教授ですが、
素晴らしい会場で格調高い講演をされました。
ふと足元に目をやると
何と、裸足のサンダル履きではありませんか。
彼女は極端な例かもしれませんが、
この辺がデンマーク人の特徴のような気がしました。
気取らないシンプルさが、実にお見事です。
物価も高いのでの華美な生活はせずに
思い思いのスタイルで生活を楽しんでいるようです。
何と言っても国連が発表する国民幸福度が2016年も世界一の国ですから…。
日本がデンマークに学ぶべきことは
内村鑑三の時代より多いのかもしれません。