224. 祝!『麒麟がくる』放送再開

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社会医療人の星

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』が8月30日から放送が再開されます。

コロナ禍による撮影中断の影響で6月7日(第21回)が最終放映となっていました。

何と、11週分もカットされたことになります。

それだけに放送再開が嬉しくてなりません。

(特集番組『「麒麟がくる」までお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル』

それはそれで面白かったです。)

というのも、私は以前から明智光秀という人物に注目していたからです。

「天下の逆賊」という一般的な彼への評価は間違っていると思っていました。

そして、今年の大河ドラマのトーンが

私の光秀像に極めて近いことから、毎週、欠かさず見ていたのです。

実は明智光秀の生い立ちや青年期の記録は残っていないようです。

美濃に生まれたことは確かなようです。

41歳の時、足利義昭と織田信長を引き合わせ、歴史の表舞台に躍り出ます。

その後、信長のもとで才能を開花させ、華々しい出世を遂げます。

相当な志を抱いて、41歳までの期間を歩んでいたに違いありません。

齋藤道三や松永久秀、若き織田信長との深いやりとりは

ドラマによる演出だとは思いますが、

41歳までの期間に、数々の試練や運命的な出会いがあったはずです。

まさに、天の訓練が光秀になされたのだと思います。

私は常々、信じているのですが、

有意な人物の誕生の裏には、必ず本人の高い志と天の訓練が不可欠です。

ここで、何故、光秀が「本能寺の変」を起こしたのかを考えてみましょう。

信長からの理不尽なパワハラで武士としての体面を失い、

逆恨みから決起したという説が実しやかに伝わっています。

全くの間違いだと思います。

ついでに、頭はいいが陰湿で神経質なほど繊細な男という光秀像も後世のねつ造でしょう。

江戸時代に書かれた『信長公記(しんちょうこうき)』などの歴史的資料は

信長や徳川家康の立場からのものですから、

正確な光秀像であるはずがありません。

逆恨みなどの小さな了見で、「本能寺の変」を起こせるはずがありません。

一時の感情で、こんな大胆な行動が採れる訳がありません。

信長討伐の後のビッグピクチャーが光秀には明確にあったのだと思います。

光秀という人物のそれまでの業績を見る限り、

「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」を一気通貫させた

ビッグピクチャーが描かれていたはずです。

実は、この大河ドラマには原作がありません。

現時点では、どのような結末になり、

どのような光秀像を描き切るのかは誰にも分かりません。

(脚本の池端俊策氏の頭には既に存在しているのかもしれませんが…)

コロナ禍での中断にも意味があるのかもしれません。

より密度の濃い展開になるに違いありません。

タイトルにある麒麟は、

仁のある政治をする為政者が現れると降り立つ聖なる獣とされます。

所謂、王道政治を意識させてくれます。

王道政治に対するものとして、覇道政治が挙げられます。

「本能寺の変」の直前、光秀の目の前で展開されていた信長による治世は

覇道政治そのものだったのではないでしょうか?

「天下不武」のビジョンは、当時としては画期的であったのでしょうが、

光秀の目は覇道政治そのものに過ぎないと見抜いていたに違いありません。

光秀のビジョンは、王道政治に向かっていたのだと私は思います。

先に、光秀が表舞台に立つ前の41年間は、

自身の高き志と天の訓練によって導かれたのではないかと書きました。

光秀は「修身斉家治国平天下(シュウシンセイカチコクヘイテンカ)」を

地で行こうとしたのではないでしょうか?

私の光秀像はこうです。

「誰よりも民の平和と幸福を願い、そのために己を捧げる覚悟のあった人物」

当時の武将としては珍しく、

側室を持たなかったことも彼の誠実さの表れと考えます。

と言う訳で、「本能寺の変」の謎に対する私の答えは、

逆恨み説ではなく、志による決起説です。

人間というものは、心から納得できる志を抱くとき、

大いなる勇気が与えられ、天下を揺るがす大業も為せるのです。

逆に、志による決起以外には「本能寺の変」の動機たり得ないと確信します。

光秀のビッグピクチャーが実現できなかったのは承知の事実です。

ただ、それは

追従する予定だった武将たちに野心はあっても真の志はなく、

光秀の誠が通じなかっただけのことなのだと思います。

コロナ禍で世界中が混迷に落ちっている今、

社会そのものがコロナ鬱に侵されようとしています。

そんな時こそ、高き志が必要なのだと思います。

まずは、公式サイトから2分間の特報動画を見ましょう!

そしたら、きっと、本編が見たくなるはずです。

主役の長谷川博己さんもハマリ役だと思います。

絶対、お薦めです。

2020年8月26日