ESPEN 2016が2016年9月16日~9月20日、
デンマーク コペンハーゲンで開催されました。
筆者が同学会に参加したのに際し、
チーム医療フォーラムでは編集部が総力を結集し、
『ESPEN2016レポート』としてツ・ナ・ガ・ル特別号を発行しました。
今回は同レポートの内容を紹介しつつ、ESPENの魅力について語っていきたいと思います。
ESPENといっても、一般には通じないでしょうから少し解説させていただきます。
ESPENとは、ヨーロッパ臨床栄養・代謝学会
(European Society for Clinical Nutrition and Metabolism)の略称になります。
ESPENの後半のPENは、
Parenteral and Enteral Nutritionの略で「静脈経腸栄養」となります。
日本には、日本静脈経腸栄養学会(以下、JSPEN)がありますが、
世界中に55以上存在するPEN-Societyの一つです。
ちなみに、JSPENが世界最大規模です(しかもダントツで)。
今回、私は初めてESPENでのポスター発表に臨みました。
せっかく出かけていくのだからということで、
ツ・ナ・ガ・ルの特別号として出版しようと企画してみました。
というよりも、ESPENでの収穫は大きく、
まだ経験されていない日本の皆さんにもそのお裾分けをしたいと考えました。
これは栄養関連の医学会ですが、
栄養という分野に限らず、学会発表という枠でもなく
広く国際舞台に出ていきましょうという想いが根底にあります。
そうは思ったものの、実際にレポートを作成するとなるとかなり大変でした。
しかし、苦労した分、かなりの力作になったと自負しています。
中でも、東口高志 藤田保健衛生大教授・JSPEN理事長のコメントが秀逸です。
3つの印象という切り口で書かれていますが、
さすがは世界の栄養界をリードされる東口先生です。
はじめに研究や教育の重要性に言及され、
その後に、世界の中での日本の存在意義や目指すべき方向性が示されています。
これから栄養学は
医療界のみならず、超高齢社会の重要な鍵になるでしょうから、
多くの方々に読んでいただきたいと思います。
今回は、たくさんの日本人発表者にも紙面に登場頂きました。
これから国際舞台にチャレンジしようという方々を応援したいと考えています。
では、まず国際舞台の敷居の高さについての誤解を解いておきましょう。
何といっても国際語である英語の問題があります。
今回私は、ヨーロッパの国際学会に参加しましたが、
非英語ネイティブ圏の学会で良かったと思いました。
ヨーロッパ以外の国からの参加者も多く、アジア人もたくさん見かけました。
実際のディスカッションでも各国訛りがあちらこちらで聞かれ、
「非ネイティブの共通語」であるグロービッシュが飛び交います。
文法などは特に気にせずに大胆に話してしまうというスタイルを学びました。
憧れのヨーロッパという要素も大きかったと思います。
しかしながら、ヨーロッパは遠いというイメージがあるかもしれません。
実際に気になるのは、距離そのものより旅費でしょう!
ちなみに私が今回利用した往復の飛行機代は7万円未満でした。
(特別に安いチケットを見つけちゃいました。)
この金額を聞けば、ヨーロッパも一気に近いと思えるのではないでしょうか?(笑)