大晦日はフルマラソンに参加してきました。
もちろん、42.195キロを走った訳ではありません。
東京文化会館で毎年開催される恒例の
ベートーヴェン全交響曲連続演奏会に行ってきました。
炎の指揮者 コバケンからの学びを報告します。
*************************
明けましておめでとうございます。
チーム医療フォーラムを今年もよろしくお願いします。
さて、皆さんは大晦日をどのように過ごされましたか?
冒頭に書きましたが、
私は、小林研一郎(愛称は「(炎の)コバケン」)指揮による
ベートーヴェン全交響曲連続演奏会に行ってきました。
12/31 12時開場、13時開演
何と、終了は23時55分の予定です。
9つの交響曲をコバケンさんが一人で指揮していくのです。
コバケンさんの前は、岩城宏之さんが務められ、
一人で連続指揮をするという暴挙(?)を始めたのも岩城さんだそうです。
こんな無茶な企画を考える方も凄いし、
参加する方も相当な覚悟が必要です(私も覚悟して臨みました)。
ちなみにチケットは完売でした。
私もチーム医療フォーラムで様々なイベントを企画しますが、
このような大胆な企画も有り!だと実感しました。
(だって、指揮者のコバケンさんは77歳ですよ)
さて、クラシックの熱狂的ファンでもない私が
何故、このようなコンサートに足を運ぶのでしょう?
それは、「アイディア出し」のためです。
私にとっては、クラシックのコンサート会場は創発の場なのです。
なまじクラシックに詳しければ、熱心に聴き入ってしまうのでしょうが、
楽譜も読めない私には、瞑想に近い状態がもたらされるのです
(実は、半分、寝ている時もあります)。
最近流行りのマインドフルネスに近いのかもしれません。
心地よい静寂さの中で、世の中を良くするためのアイディアを
ゆる~く、考えるのです。
日頃の喧騒から離れた、贅沢な時間です。
今回は11時間の長丁場で、チケット代も奮発しましたから、
必ず、素晴らしいアイディアが浮かぶはずと意気込んでいました。
結果はと言いますと、それなりにアイディアは浮かんだのですが、
それ以上に、コバケンさんの姿に感得するものがありました。
オケに食い入るように中腰になり、
時に、重低音の唸り声を出しながらの指揮ぶりに圧倒されました。
演奏も素晴らしかったです。
それもそのはず、N饗のコンマス篠崎史紀さんをはじめとする錚々たるメンバーでした。
余談ですが、弦楽器は通しでこの厳しい任務を果たせるそうですが、
管弦楽は無理なのだそうです。
そのため2組分のオケスタッフがこの日のために参集しているそうです。
五番、六番の演奏は素晴らしかったです。
七番も八番も感動的でした(八番は初めて聴いたにもかかわらず…)。
ベートーヴェンの偉大さを再認識しました。
どの交響曲も個性的であり、独自の世界観を有していました。
これだけの曲のバリエーションを創作できる能力に圧倒されました。
そして、九番
究極でした。
究極の人間賛歌です。
合唱が聴こえてきたときには「人間って、本当に素晴らしい!」と実感しました。
コバケンの背中に炎を見るような想いがしました。
疲れを全く感じさせない、入魂の演奏でした。
むしろ、九番にピークを持ってくるプロの演出に感動しました。
コバケン、ベートーヴェン 恐るべし。
大晦日の夜に、情熱の種を植え付けられたような気がします。
実りある一年にしていこうと思います。
皆様にとっても、素晴らしき一年になりますように…。
2018年1月3日