本日、いよいよ『人生100年時代の養生訓』が出版されます。
前作の『医療システムのモジュール化』は専門家向けに書きましたので
反響(販売冊数)はあまり気にしていませんでした。
でも今回は違います。
一般向けの書籍ですから販売冊数がとても気になります。
たくさんの人に読んでいただきたいです。
本書の要点は「筋肉」と「グレート・ジャーニー」だと書きました。
さらに踏み込んで言いますと、やはり「筋肉」が最重要ということになります。
それは人生100年時代の個人のみならず、
社会全体にとって重要となります。
もっと大袈裟に言えば、
これからの時代が求めているモノが「筋肉」だという結論です。
それを
より分かりやすく表現するために「GDM」という概念を提唱しています。
さらに、WorldShiftのロゴを用いて表現することで
より多くの人に伝わると思っています。
ここでWorldShiftについて紹介しておきましょう。
「ワールドシフト」とは、2009年9月、世界的な金融・経済危機と環境問題に対応するために、システム哲学者アーヴィン・ラズロ博士やゴルバチョフ元大統領など世界賢人会議「ブダペストクラブ」が、持続可能な社会への転換(WorldShift:ワールドシフト)の緊急提言を行ったことからはじまった、世界的なムーブメントです。
個人レベルの意識と行動の変化を根底として、国境や民族の壁を越えて、また政治やビジネスでのリーダーシップ、市民セクター、メディアなど、あらゆるセクターが、分断された関係を越えて、ともにワールドシフトの提言を行うことで、社会のシフトを促していくことを目標としています。
ワールドシフトは、「あなたはどのような世界を望みますか?」という問いかけのソーシャルムーブメントです。「ワールドシフト宣言ロゴ」に、ひとりひとりが、どんな世界を望むかを書き込み、自ら「世界を変える」ことを宣言することで、社会変革が「じぶんごと」になっていきます。
まず、「ワールドシフト宣言ロゴ」の上の□には、あなたが変えたい既存の世界、しくみ、生き方、考え方を。そして、下の□には、あなたが実現したい世界、しくみ、生き方、考え方を記入してください。大事なのは、そのシフトを実現する「↓」、シフトの方法を考えること。
このワールドシフト宣言ロゴは非常に便利でして、
私などは新しいアイディアを考えるときに利用しています。
(皆さんもぜひ試してみてください。)
前置きが長くなりました。
では上の□に私が変えたい既存の世界を書いてみます。
私は経済中心の考え方、GDPの思想、概念が
人間を不幸にしていると常々考えていますから、こうなります。
これまでの私たちの価値観は、GDPに代表される経済でありお金であったと思います。
GNHをご存知でしょうか?
Gross National Happiness:国民総幸福量です。
アジアの小国、ブータンでは経済中心の国づくりではなく、
国民の幸福量を最大化する国づくりを目指すと宣言し、多くの先進国に衝撃を与えました。
さーて、下の□には自分が実現したい世界、しくみ、生き方、考え方を記入するのでした。
じっーと考えて、突然頭に浮かんだのが、
GDM
でした。
Gross Domestic Muscle:「国民総筋肉量」です(意訳ですが)。
『人生100年時代の養生訓』の執筆はこの瞬間から始まったと言えます。
これからの時代は筋肉が大切なのです。
筋肉には2つの特徴があります。
一つ目は健康の重要な指標であるという点です。
医療界は最近、この重大な事実に気づき、
加齢に伴う筋肉量減少であるサルコペニアの対策に乗り出しています。
もう一つの特徴は、筋肉はせいぜい2倍にしか増やせないという点です。
元々、体重50kgだった成人が、
筋トレをして筋肉を増やして100kg以上になったという話は聞いたことがありません。
(相撲レスラーには脂肪を増やして体重が2倍以上になる人はいるでしょうが…)
一方、GDMの価値観、お金は、
2倍はおろか何千倍、何万倍にも増やすことが出来、
人間の欲望をさらに掻き立てます。
筋肉はせいぜい2倍にしか増やせないのですから、
自分の筋肉が健康維持上、事足りたら、
あとは隣のお爺さん、お婆さんのペラペラになった筋肉を増やすお手伝いをするのです。
それがGDMの、国民総筋肉量の考え方です。
どうでしょう?
「みんなが みんなで 健康になる」という視点を盛り込んでいます。
ですから、これからはsave money の「貯金生活」ではなく
save muscle の「貯筋生活」が大切なのです。
本の紹介に戻ります。
本書は、「グレート・ジャーニー」の視点と相まって、
実は、人間の中心の新しい生き方、社会、時代を預言しているのです。
ぜひ御一読ください。
そして、Amazon書評やSNSに感想をアップしてください(祈)。
(2020年6月17日)