100 賢人 田坂広志 その壱 『意思決定12の心得』

社会医療人の星

このメルマガも皆様に支えられて100回目を迎えることが出来ました(感謝)。

記念号には、やはり特別な内容で臨みたいと思います。

そこで今回は、とっておきの人物を紹介します。

15年来、私淑してきた田坂広志氏について

その著作を紐解きながら書いてみます。

私が初めて接した賢人の著作は、『意思決定12の心得』でした。

単行本は1999年に出版され、

2003年にはPHP研究所から文庫本として出版されています。

さらに今は、オンデマンド(ペーパーバッグ)として購入できます。

その日のことを鮮明に憶えています。

大学病院勤務から民間の小規模病院に移り、

派遣先が変わる度に、

華々しい世界から遠のいていることを感じていました。

規模に応じて手術の数は減っていき、

外科医としての展望も開けないという現状でした。

目の前の仕事に打ち込むことで活路を見出そうとしていたのだと思います。

当時は週休ではなく、月休2日で働いていました。

当直も8~10回をこなしていました。

当直明けで、一睡もせず、朝食も摂らずに(正確には摂れずに)

外来診療をこなし、午後からの手術に臨んだりしていました。

今では、とても考えられません。

月の1/3は家にいない訳で、家族にも迷惑をかけました。

大学の同期生たちが華々しく活躍するのを傍観し、

細々と学会発表などを行いながら、

自分しかできない仕事(テーマ)を模索していました。

ある土曜の深夜、真っ暗な当直室のダウンライトの下で

その本を開きました。

文字通り、息つく間もなく読み切りました(←本当です)。

冒頭に「意思決定の出来ないマネジャー」の話が出てきますが、

それは自分の姿だと思いました。

そして、私が接してきた殆どの上司も同じだと感じました。

本書では、「意思決定のできるマネジャー」になるには、

「直感力」「説得力」「責任力」という三つの能力を

身につけなければならないと説かれています。

それらは修行ともいえる格闘の末に得られる人間力そのものです。

学生時代からドラッカーを愛読して

マネジメントを多少は理解していたつもりでいましたが、

全く深みが違いました。次元が違いました。

一般に語られるマネジメントの底の浅さを

その一晩で理解しました(←これも本当です)。

第5の心得での田中マネジャーのサイコロのエピソードに至っては、

すっかり感服してしまいました。

この著者、只者ではないと直感しました。

兎にも角にも、マネジメントの深い智慧に溢れた一冊です。

(皆さんの読後の感動を減じさせないため、内容にはあまり触れずにおきます。)

その晩は、自分を誇らしく思いました。

その出会いは天からのご褒美だと思えたからです。

外科医としての道が先細りしていくのを感じながらも

腐ることなく、日々懸命に生きたことに

天が応えてくれたような気がしました。

そして、その出会いは

後に大学院で直接指導を受けるという深い縁(えにし)にまで繋がってくるのですから、

天の配剤には感謝するばかりです。

さて、このメルマガの95話で田坂氏の最近の著作:『深く考える力』を紹介しました。

95. 書評『深く考える力』
最近、多くの人がブログやメルマガを書くようになっています。 実はこの文章を書くという行為が 深く考える力に結びつけられるとしたら...

この本のテーマは、「論理思考」の先にある世界なのだと思いますが、

いきなりこの本を読んだだけでは、その世界には到達しにくいような気がします。

『意思決定12の心得』を熟読しておくと、それが容易になるはずです。

逆に、『深く考える力』から学びを得た今、

1999年に書かれた『意思決定12の心得』を再読すると、

当初から「論理思考」の先にある世界を踏まえて書かれていたことに気づかされます。

恐るべし、田坂広志。

100号記念にもう一つ、特別な話題提供をします。

MEDプレゼンも今年、10年目の記念日を迎えます。

この節目にMED Japanと名称を変え、新生します。

実は、この10年間、ある方に特別講演をお願いしたいと心密かに精進してきました。

まだその域には達していないと自覚していましたが、

覚悟を以て、お願いしてみました。

そして、何と今回、ご快諾いただけたのです。

そうです。ある方とは、田坂広志氏です。

2018年10月14日

10年来の祈願が実現します。

半年を切りました。

この期間は、我々、チーム医療フォーラムにとっても

最高の成長期間だと思っています。

心して臨む所存です。