MED 秋田 2018が
10/28(日)、秋田県由利本荘市で開催されました。
会場は10/1にオープンしたばかりの由利本庄アリーナで、
東北最大級の総合エンターテインメント施設です。
駅から移動の車からの景色に
突然、巨大な施設が姿を表したので、度肝を抜かれました。
さて、このMED 秋田 2018の主催者は、
由利組合総合病院 医師の谷合久憲さんです。
3年、4回目の開催となる今回は、
医療職のみならず、学生、患者家族、JICA職員などの
8名のプレゼンターと諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生の御講演がありました。
過去最高の集客となり大成功でした。
(谷合先生、おめでとうございます!)
素晴らしいプレゼンばかりでしたが、
今回は鎌田實先生の特別講演について書かせていただきます。
最初に、舞台上のエネルギッシュなお姿に圧倒されました。
また、声が太く、聴く者の心に染み入ります。
(声の太い人には、中々お目にかかれません。
魂の深さが声に現れるのでしょう。間違いないです。)
講演では、樹木希林さんのエピソードをもとに
「何でも肯定的に受け入れる」
「自分の人生は自分で決める」ことの大切さが語られました。
また、鎌田先生自身が大事にしている2つのモットーが紹介されました。
- 自分の命は自分で決める
- 誰かのために手を差し伸べる
自分が人生の主人公という当事者意識と利他の精神なのだと思います。
この大事な心掛けで、鎌田先生は30代で諏訪中央病院 院長に就任以来、
先駆的な「地域包括ケア」をコツコツと積み上げて来られました。
というより、鎌田先生が地域の人々のためにやってきたことの集大成が
今日の「地域包括ケア」のモデルになったのでしょう。
何故、そのような時代を先取りするような歩みが出来たのか?
お話を伺っているうちにピンときました。
どうやら、鎌田先生には“境界”という概念が無いようなのです。
自分の専門は脳外科だから、整形外科だから、
自分は看護師だから、薬剤師だから、管理栄養士だから、
ここまでしか出来ないと線引きをしてしまうのが普通です。
しかし、鎌田先生は違うのです。
あらゆるものを包摂していく発想、強さを感じました。
敵をも和解させてしまうような迫力を感じます。
私たちのように、診療報酬で認められるのはここまでだからとか、
そこまでやったら自分たちが大変だとかの発想ではないのです。
地域医療のため、敢えて限界は定めずに
自分たちのやるべきことを
愚直に重ねて来られたのだと思います。
“積小為大”そのものです。
そして、今や、たくさんの著作のみならず、
CDのプロデュースもされています。
活動の舞台は日本を超え、
チェルノブイリ原発事故後のベラルーシの放射能汚染地帯への医療派遣、
イラクの小児病院への医療支援も行っています。
年間の経費だけでも1億7千万円もかかるそうです。
規模は小さいながらも私のチーム医療フォーラムの運営も
持ち出しをしながら継続している点は共通しています。
実は、事前の楽屋での打ち合わせの際にそんな話題が出て、
鎌田先生との距離が一気に縮まったような気がしました。
講演の中で、育ての親の岩次郎さんの話が少しだけ出ました。
世界中を駆け巡る鎌田先生の様々な活動の原点には
岩次郎さんへの尽きぬ感謝の想いが通底していると感じました。
感謝から出発している人は本物であり、
強靭であることを私は知っています。
再び、講演に戻りますと、
人間は、たとえ逆境にあろうとも
「…にもかかわらず」立ち上がり、
美しく生きることができると教えていただきました。
人間という気高き存在を信じてみようと改めて思いました。
また、一人
お手本とすべき“素敵な大人”を発見しました。
講演直後のツーショット
「いのちの場から、社会を良くする」のロゴを褒めていただきました。
2018年10月31日