今日はTVドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』の紹介です。
フジテレビ系 毎週木曜夜10時放送です。
このメルマガの読者は医療関係者が大多数ですので
毎週欠かさずに視ている人も多いと思います。
アンサングは英語でunsungです。
意味は、「詩歌にうたわれ(てい)ない; 〈人・業績など〉詩歌によってほめたたえられない.」と辞書にありました。
“縁の下の力持ち(=アンサングヒーロー)”の含意があるようです。
このタイトル、病院薬剤師の本質を突いているなあと思いました。
普段、病院勤務で薬剤師の活躍を目の前で見てきているので、納得です。
現在、全国に薬剤師は30万人いるそうです。
薬学部も医学部同様6年制になり、新たな活躍が期待されるという時代背景もあります。
このドラマは本来、4月スタートの予定でしたが、
コロナ禍で7月スタートになったのでした。
実はこの春、MEDのニューバージョン MED Now が開催される予定でした。
毎年秋に開催するMED Japanが秋の陣とすると、
このMED Nowは春の陣の位置づけで、
その時々の旬のテーマで企画するプレゼンイベントです。
今年のテーマは「くすりのリアル」でした。
石原さとみさん主演のこのドラマの情報をキャッチしていたこともあり、
選んだテーマでした。
病院薬剤師さんは勿論、保険薬局薬剤師、移動薬局の話、
アメリカ型のピッカピカの薬剤師教育の話、スポーツファーマシー等々、
協賛スポンサーが付いて、プレゼンターも8割以上 決まっていたにもかかわらず、
コロナ禍で中止せざるを得ませんでした。
さて、本題のドラマの紹介をしましょう。
主人公の葵みどりさんはキャリア8年目の薬剤師です。
「薬は患者の今後の生活につながるからこそ、その人自身を知る必要がある。それが、薬剤師にとって何より大切だ」
というのが彼女の信念です。
1人でも多くの患者を救いたいとの想いが強過ぎるあまり、
どんどん患者さんやご家族に深入りしてしまいます。
病院を抜け出して、患者の家に行ったり、
かかりつけ薬局に押しかけたり、
ドラマならではの演出はあるものの、
一途な姿勢には感動を憶えます。
「すべては患者の“当たり前の毎日”を取り戻すため」というフレーズが随所に出てきますが、
考えてみると急性期の治療を終えて、退院する際には
その“当たり前の毎日”への橋渡しをするのは、多くの場合、内服薬です。
そして、国民医療費全体の2割が薬剤関連です。
くすりが医療の中でかなりの比重を占めていることがご理解できると思います。
逆に言いますと、
こうした内服薬がないと、自宅での生活が難しいことになります。
このドラマを通して、くすりや薬剤師の有難味を多くの国民が知るべきです。
医療監修もしっかりしていて、勉強になります。
こんな裏話も初めて知りました。
トローチは、口やのどの細菌を殺したり増殖を防いだりする目的で使用します。効果が持続するよう、ふつうの錠剤より硬く作られており、徐々に溶けるような製剤設計がなされています。かみ砕いたり、飲み込んだりせず、できるだけ長く口の中に含んで溶かします。
このように、トローチは長時間なめるようにつくられているお薬ですので、誤って飲み込んでしまっても息が詰まらないよう、真ん中に穴をあけています。
このドラマはそれだけではありません。
毎回、泣かされます(マジで)。
先週(8/6)放送の第4話では、「今週は泣かされない」と思って見ていましたが、
最後の最後にやられてしまいました。
アンサングヒーローは陰徳に通じます。
私は陰徳系に感動し易いようです。
皆さんはどうでしょう?
石原さとみさんをはじめとする、キャストもいいですね。
こうした医療ドラマが広がることで
「いのちを大切にする社会」が近づいて来るのを感じます。
多くの人に見てもらいたいです。お薦めです。
コロナ禍で春の陣のMED Now 2020が中止になったことを書きました。
ここでもう一つ残念なお知らせです。
秋の陣のMED Japan 2020も
コロナ禍の現状を鑑みて中止を決定しました。
今年のテーマは、「五大にみな、響きあり」でした。空海の言葉です。
この世のすべてのものは響き合う共鳴体であるという意味ですが、
MEDのプレゼンで共鳴し合い、
より良き社会をつくっていこうという主旨でした。
私が愛聴している音楽家のミニ・コンサートも予定していただけに残念でなりません。
しかし、来年以降に持ち越して、さらに企画を温めたいと思います。
最後に『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』見ましょう!
そして、今後のMEDにもご期待ください!!
2020年8月12日