先週末は、金沢市で開催された第25回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会(2016年6月11日・12日)に行ってきました。
創傷・オストミー・失禁分野は看護師の活躍が目覚ましいのですが、
キラ星の如き人材がこの学会から多数輩出されてきたことを肌で感じました。
随所に金沢らしい質の高いおもてなしもあり、本当に素晴らしい学会でした。
理事長の真田弘美 東大教授を筆頭に
どの登壇者も自信と希望にあふれ、輝いて見えました。
女性が殆どを占める学会ですが、
これほどまでに女性が輝いている団体はないのではないかと思いました。
今回は25周年の記念大会ということもあり、
これまでの歴史の振り返りがありました。
そこで私は、実は会員も学会も苦難の連続を強いられてきたということを知りました。
確かにそうでしょう。
今日の隆盛は、多くの礎の賜物であると納得しました。
そして、ふと「ガラスの天井」が思い浮かびました。
ガラスの天井(glass ceiling)は、
どんなに才能に恵まれ、実力を兼ね備えた女性であっても、
組織内での昇進を妨げる見えない障害(天井)があるというメタファーです。
記憶の新しいところでは、
事前の予測では圧倒的有利が伝えられながら、
ペルー大統領選に僅差で敗れたケイコ・フジモリ女史が想起されます。
このガラスの天井は女性に限った現象ではないと思います。
マイノリティや非主流派のあらゆる人々が味わっている現実なのでしょう。
このガラスの天井の存在は、本人の自己限定から生まれるものではありません。
この点は強調しておかなければなりません。
他者が作り出す障害なのです。
ハリウッドには、ガラスの天井ならぬ
セルロイド(映画フィルム)の天井があるといわれます。
医療界においては、どうでしょうか?
確かにあるでしょう。
先の日本創傷・オストミー・失禁管理学会の事例は、ほんの1例に過ぎません。
職種毎に立ちはだかる天井があるような気がします。
では、そのような天井を取り払う術はあるのでしょうか?
あります。
それがチーム医療です。
チーム医療の要諦は、無境界(No Boundary)にあると私は考えています。
ガラスの天井が自己限定ではなく他者限定に依拠することから、
チーム医療の実践こそが
自ずと医療界のガラスの天井を取り払ってくれるのだと信じます。
皆さんはどう思われますか?