JAGES(ジェイジズ)は一般社団法人日本老年学的評価研究機構のことで、
健康格差の存在やその要因解明を営々と積み重ねてこられた
千葉大学予防医学センター近藤克則教授の20年以上の研究成果を
実践的に世に問う集大成の場です。
私見ながらJAGESの強みを考えてみました。
第一の武器は、JAGESが開発した地域診断システムでしょう。
それは、介護予防事業報告などの情報を基に、
地理情報システムを活用した「見える化」を支援するためのツールです。
この「見える化」のメリットは計り知れません。
このツールによって表出するデータは、有機的な情報となり
時に、未来を予見する洞察を生むことになるでしょう。
そして、将来に関してもこのツールを活用することによって
様々な仮説検証が可能になるのです。
惚れ惚れするようなツールです。
第二の武器は、JAGESのメインテーマが
超高齢社会の最重要イシューであるという点です。
これからの社会が目指さなければならない方向性を
いち早くJAGESが先取りしていくに違いありません。
時代の要請であり、各自治体が最も解決したい課題を
堂々と扱うJAGESが注目されないはずがありません。
今後、益々その存在感を増していくことでしょう。
第三の武器は、JAGESそのものがオープンな場である点です。
近藤先生から直接伺いましたが、
最初はたった3人の勉強会だったそうです。
それを毎月コツコツと重ねることで、徐々に研究仲間が増えていき
それが今や、
- 英文での学術論文:96編
- 和文での論文:290編
- 書籍:7
- 学術賞:40
という研究業績にまで繋がっていったのです。
ちなみに、シンポ当日の午前中も研究会が開催されました(近藤教授、恐るべし)。
7月8日のシンポジウムでも、
厚労省、経産省、コンサル系の民間企業、NHK、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)のシンポジストが登壇され、
希望的なディスカッションが積み上がっていました。
創発が生まれやすい場となっていました(近藤教授の人徳です)。
ディスカッションの場でも話題になりましたが
このシンポの隠れたるアジェンダは、コレクティブ・インパクトであったと感じました。
懇親会の場でも、様々な立場の方が参集していたことに驚かされました。
この“オープン”というJAGESの特徴が
これからも無限の発展を生むのだと確信します。
先のメルマガ 97.「群衆の叡智」で、
コレクティブ・インテリジェンスに言及しましたが、
多種多様な人々が集い、協働する時に生み出される力や叡智には素晴らしいものがあります。
そのことを改めて実感できた清々しい日曜日でした。
最高の休日ですね。
俄然、やる気が出てきました。
この熱が、少しでも皆さんに伝われば幸いです。
2018年7月11日