225. 歌手 ナターシャ・グジー

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社会医療人の星

MED Japan 2020をコロナ禍で中止にしたことは先日述べました。

本来、今頃は大々的に宣伝して、

志あるプレゼンターの魂の声を届けるお手伝いしていたはずです。

さらに今年は、特別企画としてある歌手にミニ・コンサートをお願いしていました。

ウクライナ出身の歌手&バンドーラ奏者 ナターシャ・グジーさんです。

ウクライナと言えば、チェルノブイリ原発事故を連想する方も多いでしょう。

そうです。

1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)に、

ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(当時)の

チェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故です。

実は、彼女は6歳でその事故に遭遇し、

慣れ親しんだ故郷を追われ、避難生活を送ったのです。

そんな彼女が縁あって日本に定住し、

アーティストとして活躍しているのです。

今年は来日20周年にあたるそうです。

私は、NHKの「視点・論点」の映像でその存在を知りました。

10分間の番組では、前半は彼女の辿ってきた足跡が語られます。

後半の5:30から彼女の演奏が始まります。必聴です。

この上ない清らかさを感じるのは私だけではないはずです。

この高貴ささえ感じさせる歌声はどこから生まれるのでしょうか?

それは、深い悲しみを乗り越えた魂のみが持つ清さなのだと私は思います。

強さ故の清さなのかもしれません。

それを今年のMED Japanで皆様に直に感じて欲しかったです。

彼女の父親が原発職員だったのですが、

彼女たちには何の責任もありません。

突然にやって来たとてつもない不幸です。

6歳の少女にとっては、

あまりにも理不尽な現実であっただろうと思います。

想像を絶する悲しみ、苦しみを経験したことでしょう。

私は日々、生きる悲しみというものを意識しています。

(もちろん、人生はそれだけではないのですが…)

彼女は、その生きる悲しみを徹底して知っているはずです。

でありながら、あの歌声です。

天晴れという他ありません。お見事です。

以前このメルマガ77話で、カザルスの「鳥の歌」を紹介しました。

平和を願う清く力強い魂がそこにあります。

77. カタルーニャ独立と『鳥の歌』
「カタルーニャ独立宣言」のニュースが世界中を駆け巡りました。 カタルーニャといえば多くの芸術家を産んだ気骨のある民族と私は認識していま...

同様の魂を持つナターシャも「鳥の歌」を歌っていますので、

是非味わってください。


私の文章を長々と読むよりも、絶対に有用です。

という訳で、今週は短文のまま終了します。

(浮いた時間で必ず聴いて欲しいです)

さらに、感動した人はYouTubeチャンネル登録もどうぞ!

2020年9月2日