MED Japan 2020をコロナ禍で中止にしたことは先日述べました。
本来、今頃は大々的に宣伝して、
志あるプレゼンターの魂の声を届けるお手伝いしていたはずです。
さらに今年は、特別企画としてある歌手にミニ・コンサートをお願いしていました。
ウクライナ出身の歌手&バンドーラ奏者 ナターシャ・グジーさんです。
ウクライナと言えば、チェルノブイリ原発事故を連想する方も多いでしょう。
そうです。
1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)に、
ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(当時)の
チェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故です。
実は、彼女は6歳でその事故に遭遇し、
慣れ親しんだ故郷を追われ、避難生活を送ったのです。
そんな彼女が縁あって日本に定住し、
アーティストとして活躍しているのです。
今年は来日20周年にあたるそうです。
私は、NHKの「視点・論点」の映像でその存在を知りました。
10分間の番組では、前半は彼女の辿ってきた足跡が語られます。
後半の5:30から彼女の演奏が始まります。必聴です。
この上ない清らかさを感じるのは私だけではないはずです。
この高貴ささえ感じさせる歌声はどこから生まれるのでしょうか?
それは、深い悲しみを乗り越えた魂のみが持つ清さなのだと私は思います。
強さ故の清さなのかもしれません。
それを今年のMED Japanで皆様に直に感じて欲しかったです。
彼女の父親が原発職員だったのですが、
彼女たちには何の責任もありません。
突然にやって来たとてつもない不幸です。
6歳の少女にとっては、
あまりにも理不尽な現実であっただろうと思います。
想像を絶する悲しみ、苦しみを経験したことでしょう。
私は日々、生きる悲しみというものを意識しています。
(もちろん、人生はそれだけではないのですが…)
彼女は、その生きる悲しみを徹底して知っているはずです。
でありながら、あの歌声です。
天晴れという他ありません。お見事です。
以前このメルマガ77話で、カザルスの「鳥の歌」を紹介しました。
平和を願う清く力強い魂がそこにあります。
同様の魂を持つナターシャも「鳥の歌」を歌っていますので、
是非味わってください。
私の文章を長々と読むよりも、絶対に有用です。
という訳で、今週は短文のまま終了します。
(浮いた時間で必ず聴いて欲しいです)
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2020年9月2日